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BtoBのブランディング&マーケティングの成功法則

皆様、こんにちは。営業部の石田です。

 
先日6月23日(木)に、株式会社才流と揚羽で「BtoBのブランディング&マーケティングの成功法則」と題してオンラインセミナーを開催いたしました。

 
才流からはマーケティング施策の実行上欠かせない「顧客理解」や戦略立案の手法について、揚羽からは企業ブランディングの体系的な理解やブランディングの実行方法についてお話いたしましたので、セミナー内容をご紹介します。また、本レポートの最後には、当日の揚羽講演の録画をご視聴いただけるフォームもありますので、ご興味のある方はぜひお申込ください。
 

第1章 揚羽

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スピーカー:板倉 マサアキ 氏
株式会社揚羽
ブランディングコンサルタント/クリエイティブディレクター

 

そもそもブランディングって?

近年、〇〇ブランディングという用語はよく耳にしますが、一口にブランディングといっても何を示しているのかわからないという方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
 

まずはブランディングを「何を」「誰に」「誰が」という観点で分類すると分かりやすいと思います。「何を」ブランディングするのかでいうと、「商品/サービス」もしくは「企業(コーポレート)」のブランディングに分けられます。また、「企業(コーポレート)」ブランディングの中でも、「誰に」対してのブランディングであるかで分類すると、組織内外への「アウター/インナーブランディング」と「採用ブランディング」に分けられます。さらに、「誰が」ブランディングするのかで考えた際に、「BtoC」企業もしくは「BtoB」企業のブランディングに分類できます。
 

こうした分類に基づくと、弊社の事業領域でもある「採用ブランディング」は「採用マーケットに向けたコーポレートブランディング」であり、「インナーブランディング」は「インナー(従業員)に向けたコーポレートブランディング」であるといえます。
 

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ブランディングの体系的な理解

ブランディングと聞くと、抽象的な意味合いで受け取られがちです。しかしながら、ブランディングを体系的に理解することで、実際に「何をすべきなのか?」がわかりやすくなります。
 

以下の図はブランディングを体系的に表したものです。ブランドの価値とは、「商品提供価値」を「コンテンツ提供価値(商品から派生した情報)」と、「リレーション提供価値(商品から派生した関係)」の相乗により魅力を膨らませたものであるといえます。
 

それぞれの要素を説明すると、「商品提供価値」とは、商品化ができた時点での価値要素のすべてを指します。初期に設定したこの価値は、ブランドとしてのコアの役割を果たし、ブランディングの起点となります。
 

「コンテンツ提供価値」とは、商品の価値を膨らませる情報群であり、商品周りで知覚されるすべてのコンテンツを指します。具体例として、広告コピー、LPサイト等のツール、PR活動などが挙げられます。
 
「リレーション提供価値」とは、商品の価値を膨らませる関係性の質であり、人やコミュニティを通じて顧客に好ましい関係を付与することを指します。CRM、SNSマーケ、研修などが該当します。
 
ブランド価値を最大化するためには、まず商品(自社)の強み、提供価値を知り、それらを見える化し、ターゲットとの関係性を構築するということが必須であるといえます。
 

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コーポレートブランディングのステップ

続いて、コーポレートブランディングのステップについてお話させていただきます。

 
まずは、企業の強みや提供価値を知るために、経営層、従業員、顧客など、ステークホルダーに向けての調査を実施し、現在のブランド価値を構造化し、整理します。手法としては、経営層へのインタビュー、従業員へのワークショップ、顧客向けインタビュー、サーベイ調査などがあります。

 
整理したブランド価値がステークホルダーにしっかりと伝わるよう、強みや提供価値を言語化し、ブランドシンボルやキャッチコピー、ネーミングなどの知覚化を行います。
 
見える化した後に、各ステークホルダーごとにジャーニーマップを作成し、コミュニケーションを設計します。認知→理解→共感→行動のための施策はそれぞれ異なるので、フェーズごとに洗い出しを行います。
 
最後に、コミュニケーションに必要なクリエイティブツールなどを実装し、施策を各ステークホルダーに向けて施策を実施します。
 
このような流れで進んでいくため、コーポレートブランディングに着手するにあたっては、まずは自社の強み、提供価値を理解することが重要であるといえます。
 

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市場におけるブランディングの必要性

ブランディングについてのご相談で最も多いのが、競合会社との差別化ができていないという内容です。現代の市場において、機能や特徴での差別化が難しくなっており、金額や納期が早いか遅いかのような軸で判断されてしまうケースも増えています。
 

こうしたコモディティ化の進む市場では、ブランドとしてのステークホルダーから共感を得ることの重要性は増しているといえます。他社と比較して少し高額であったとしても、そのブランド自体やスタンスに対して共感、信頼されることにより他社とは明確に差別化することができます。

 

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BtoB企業におけるブランディング

ブランディングといえば今までは商品、サービスなどのBtoC領域がメインでしたが、今ではBtoB ・BtoCに限らず、自社のブランドを得ていき、いかに共感してもらうのかの設計をしていくことの必要性が増しています。
 
ヒト、モノ、カネ、情報という経営資源は従業員のエンゲージメントや生産性につながっており、従業員の満足度は顧客の満足度やロイヤリティにつながっています。また、顧客の満足度が向上することで、売上や利益とさらには株主の信頼が増し、株主の信頼は経営資源に帰ってきます。このサイクルを回していくことこそがコーポレートブランディングであるといえます。

 
BtoB企業においては、例えば顧客と直接対峙する営業やそのサポートする窓口の担当など、従業員自体がブランドを体現するケースが多いです。

 
BtoB企業においてこそ、企業活動の好循環のサイクルを回すための第一歩として、従業員を味方につけるインナーブランディングへの注力がビジネスの成功の肝であるといえます。

 

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ブランドマーケティングという考え方

ブランドマーケティングとは、顧客や生活者とブランドでつながり合う考え方です。

 
ブランディングで築き上げた「ブランド価値」という資産を、マーケティングで活用することで、ターゲット顧客とブランドによってつなげていくことができます。現代において、ブランディングとマーケティングは両輪で回していくことが必要です。

 

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第2章 才流

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スピーカー:澤井 和弘
株式会社才流
BtoBマーケティング支援事業 事業責任者

 
第2部は、BtoBマーケティングの戦略立案について良い購買体験を提供するにはという観点から株式会社才流の澤井氏よりお話いただきました。

 

はじめに

本講演では、「良い購買体験から顧客リレーションシップを築く」ということについてお話いただきました。受注後の体験の強化に注力する会社は多い一方で、受注前の体験に対して取り組みを強化されている会社はまだまだ少ない印象を受けます。
 

受注前の購買体験を改善し顧客との良い関係性を形成することは、受注率の向上、リピート率の向上など良い影響がたくさんあります。
 

営業・マーケティングに変化が起きた

コロナの影響もあり、購買プロセスのオンラインへのシフトは加速しました。セミナーや商談もオンライン化し、オフラインからオンラインに移行するトレンドは今後も変わらないと推測されます。
 
オフライン中心では購買プロセスに関するデータは蓄積しづらい状況にあり、マーケティングや営業において担当者の勘と経験に依って施策が行われるなど属人的な側面が強くありました。

 
オンラインにシフトした今、環境が整備されお客様の購買プロセスにおけるあらゆるデータが非常に取得しやすくなりました。今まで勘や経験によって判断していたものが、蓄積したデータに基づいて意思決定できるようになり、データをみながらお客様の購買プロセスを想定してアプローチすることが可能になりました。

 

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より良い購買体験の提供には施策を考える前に顧客理解が不可欠

デジタルへの移行が加速する中、企業からはMAツールやWebマーケ施策など「何の施策から始めるべきか?」というご相談をよくいただきます。しかしながら、基本的に施策から考えることはおすすめできません。

 
デジタルシフトの本質は、より良い購買体験の提供するためにデジタルの力を使い顧客理解を深めることにあります。

 
顧客理解ができていない例として以下のようなものが挙げられます。
● サービスサイトの内容が「顧客の知りたい内容」になっていない
● 購買プロセスが理解できておらず、すべてのリードに商談を打診する
● 施策を実行してリードは増えるが、商談や受注に繋がらない
 

顧客理解をすれば良い購買体験を提供できる

良い購買体験を提供する上では、顧客理解をすることが重要なポイントとなります。例えば、顧客がどのような課題を抱えているのか、検討プロセスがどのように行われるのか、などを把握することが重要です。

 
それらの情報に基づいて、どういうチャネルを使って顧客と接触するのか、検討フェーズごとにどういった情報を提供するのか、コンバージョンのポイントをどこに置くかなど、顧客とのコミュニケーションを設計することができます。

 
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顧客を理解するために明日からできること

顧客理解は、定性・定量の観点から深めていくことが重要です。定性調査でいうと、既存の顧客や見込み顧客へのインタビュー調査や営業同行、お客様と接する部署との情報交換する、などの方法があります。
 

見込み顧客や既存顧客へのインタビューの質問項目としては以下のようなものが挙げられます。
● どのような課題を解決したかったのか?
● 発注、導入に至った背景、優先順位は?
● どのような検討プロセスだったのか?
● 製品やサービスの比較軸や決め手は何か?
● 情報収集は普段どのようにやっているのか?
● サービスサイトを閲覧した感想は?
● 問い合わせ内容やSFAの商談履歴の分析
● 受注、失注、解約理由の確認
● 受注した企業の購買プロセス、行動の分析
● アンケート調査による、課題やニーズの把握
などが挙げられます。

 
ご支援させていただく際に顧客に関するデータを蓄積できていないというケースも多々あります。データは重要な財産ですので、蓄積する環境を整える、入力を徹底するなどの対策をおすすめします。
 
・ペルソナを作る
調査により集まった情報はペルソナにまとめます。部署によってペルソナの認識が違っていることもあるため、社内で共通認識をもつことが重要です。BtoB企業における購買はなにかしらの解決したい課題があり、その解決のために購買するのが一般的です。ペルソナがどんな課題をもっているのか明確にして共通認識をもっておくことが大切です。

 
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・カスタマージャーニーマップ
ペルソナを設計した後は、カスタマージャーニーマップを作成することを推奨しています。
カスタマージャーニーマップは、顧客の検討フェーズごとにどういった接点があり、接点ごとにどのような情報を提供することでお客様の態度変容が起こるのかをしっかり整理します。カスタマージャーニーマップが整備されると、検討フェーズごとに実施すべきことが明確になります。
 
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・検討フェーズ毎に実施すべき施策
お客さんの検討フェーズごとに実施すべき施策はある程度決まっています。
重要になるのはそれぞれの施策において「何をつたえるのか」です。
 
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・マーケティングの階段設計
お役立ち資料などの薄い接点から、問い合わせや商談につなげることは非常に難度が高いです。
才流では「階段設計」と呼称していますが、問い合わせや商談に至る中間地点に検討度を引き上げるためのコンテンツを提供することを推奨しています。
 
コンテンツを閲覧し、お役立ち資料ダウンロードした見込み顧客に対して、事例やサービス紹介セミナーを案内するなど、徐々に検討度を引き上げる中間コンテンツを設計します。
 
カスタマージャーニーマップと連動するものになりますが、お客様の状況に合わせてどのようにコミュニケーションすればいいのかが明確になり、購買体験の向上につながります。
 
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Q&A

当日は参加者の皆さまから多数のご質問をいただきました。

 

Q1.ー『ブランディングや、BtoBマーケティングの仕組み作りについて、どのくらいのスパンで取り組まれるプロジェクトが多いでしょうか?』

板倉:
上流の設計、言葉づくりに半年程度、それを伝えるツールの設計に半年程度なので、全てを合わせると1年とみていただけると良いかと思います。言葉づくり単体でのご支援も最低3カ月はかかります。
 

澤井氏:
1年くらいのスパンで想定されると良いかと思います。顧客の課題やニーズが明確な場合は、短期間で成果がでることもあります。
 

Q2.ー『ブランディング、マーケティングを外部に依頼するメリットは何でしょうか?』

板倉:
例えば、インナーブランディングに取り組むにあたって、言葉は自社内で作ろうとされるお客様も多いです。しかし、社員が社長に伝えにくいことがありますし、同様に社長が社員に伝えにくいこともたくさんあります。外部に依頼することで、第三者として客観的にメッセージを受け止めることができるのは1つのメリットかと思います。
 

また、ブランドのオーナーは経営者だけじゃなくて従業員の方も該当します。社内でプロジェクトを進めた場合、意見の正しさみたいなのが社内のヒエラルキーに依存してしまうことも考えられます。客観的な立場から整理する、外部の人間がいることによりプロジェクトは円滑に進むと思います。
 
澤井氏:
圧倒的に時間短縮にはなると思います。何もない状態から自社内でプロジェクト遂行するまでは3年ほどかかりますが、外部のサポートがあると1年ほどで取り組むことができます。
 
また、お客様とは普段から接して距離感が近すぎるため、客観的にみることが出来なくなっている領域もあるかと思います。新たな視点で見ることができる点も、外部依頼するメリットかと思います。
 

Q3.ー『ブランディングの必要性を社内に浸透するにはどうしたらいいでしょうか?』

板倉:
ブランディングに心理的なハードルをもつ方も一定数いらっしゃいます。社内へは「ブランディングをやりましょう」という打診ではなく、「まずは調査してみませんか?」のように一度ハードルを下げて着手しやすい部分から合意をとっていくのはよいかもしれません。

 

その他ご質問へ回答

時間の都合上セミナー内でお答えできなかった質問の回答も以下に掲載いたします。

 

Q.ーブランディングと認知活動はイコールなのでしょうか?

板倉:
有名人の知名度と人気度が違うように、ブランド力と認知度はイコールではありません。認知活動だけが先行してしまい、「どう認知されたいのか?」というブランドの骨格がはっきりしていないと、社名は伝わっても、選ばれる理由につながりません。
 
そのためブランディングで自社の強みをはっきりさせてから、認知活動を行われることをおすすめします。

 

Q.ーBtoBで、商品自体は他社と差別化することはできない業態でもブランディングは可能でしょうか?

板倉:
むしろ、差別化できない商品だからこそブランディングが必要と言えます。差別化できない商品を扱いながらも、顧客に選ばれて続けてきたからこそ、会社が続いてきたのだと思います。

 
その選ばれる理由こそがブランドです。それを見つけて、社内・社外に伝えていく。それこそがブランディングだと思います。

 

Q.ー定性・定量で顧客を理解するというお話で、「失注理由の確認」とありましたが、具体的にどのような分類をしていますでしょうか。営業に失注理由を記入いただく際、自由記述ではなく軸があれば教えてもらいたいです。

澤井氏:
失注理由(選択式)の場合でよく使われる項目は下記の通りです。
● 競合に負けた
● 時期
● 現状維持
● 価格
● 機能不足(セキュリティ要因も含む)
● 機能過多    
● 音信不通  
● キーマンを押さえられなかった
  

ーQ.顧客理解で、顧客にインタビューする際は、どの程度の役職層にコンタクトするのがオススメでしょうか?

澤井氏:
階層により検討軸なども違うため、現場からマネジメント層まで広くインタビューするのおすすめです。

 
 
 

以上、6月23日(木)開催オンラインセミナー「BtoBのブランディング&マーケティングの成功法則のセミナーレポートでした。

 

今後もオンラインツールも活用しながら、皆さまのお悩みを解消できるようなセミナーを随時開催していきますのでご期待ください。