株式会社揚羽

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インナー&アウターブランディング
コーポレート・ブランディングを成功に導く3つのポイント

今こそ部門の壁を越えた効果的なコーポレート・ブランディングが必要

部⾨を越えた、コーポレート・ブランディングの考え⽅(1)(2)では、インナー・ブランディング、アウター・ブランディング、採⽤ブランディングの3つの取り組みが、相互に影響し合っていることをお伝えしてきました。
企業にとって強いブランド⼒があれば、顧客がマーケットで製品やサービスを購入する時だけでなく、人事部門における従業員採⽤やI R部門における資⾦調達の場面でも、強い優位性を発揮できます。またI P Oを目指す企業にとっては、企業価値の向上も期待できます。
そうした理由により、コーポレート・ブランディングの強化を目的として、多くの日本企業で様々な施策が実行されています。にもかかわらず、その効果やメリットを実感している会社は少ないようです。
コンサルタントを受け入れたり、広報やP Rを充実させたけれど、結局は「地味な業種だから、企業ブランドを確立できない」、「輝かしい歴史がないから、共感されるイメージをもたれない」、「派手なヒット商品がないから、覚えてもらえない」と、コーポレート・ブランディングを諦めたり、効果に疑問を持つ経営者も少なくありません。
ではサービスや商品のコモディティ化が進み、企業として差別化しづらい時代、数ある競合の中で埋もれることなく、マーケティング、人事採用、I Rなど部門を超えて機能するコーポレート・ブランディングを推進するためには、どうすべきでしょうか。

コーポレート・ブランディングに成功する企業、失敗する企業

コーポレート・ブランディングはメリットや必要性が認められ、多くの企業が強化を⽬指しています。成功する企業がある一方で、残念ながらうまくいかない企業があります。売上は順調に伸びているのに、新卒採用では人気がない。商品名は有名なのに社名の認知度が低い。こうした部分的に成果を発揮するも、部門を超え全社に向けてブランディングが機能しない理由は、どこにあるのでしょうか。
■各部門によって向き合う対象者が異なっている
企業価値を⾼めるという⽬的は同じにもかかわらず、担当する各部門で求める成果やコミュニケーションをとるべきターゲットが異なるため、効果的に相互の意思疎通が図れていない企業が多いようです。
例えば、IR担当であれば株主、マーケティングや広報・PRであれば取引先・⽣活者、社内広報であれば従業員、⼈事であれば採⽤候補者。それぞれが課題解決に向け設定したアイデンティティを掲げてしまい、コーポレート・ブランディングの⾜並みが揃いません。その結果、コーポレート・ブランディングの方向性が定まらずメリットや効果を十分享受できないといった現象が起こっています。
■経営部門がすぐに成果を求めてしまう
コーポレート・ブランディングはメリットやスペックが明確な商品やサービスと違い、理念や志、価値観といった目に見えないものであるため、確立に時間がかかります。費⽤対効果も計測しづらく、経営部門はすぐに成果を求めてしまいがち。こうした特性もあり、部門ごとに求める成果に直結するブランディングを行ってしまうという状況もある様です。コーポレート・ブランディングの浸透は、一度の接触ではなく、何度も体験が必要です。インナーもアウターも経験を重ねていくことで、理念や志、価値観がリマインドされ定着します。コーポレート・ブランディングは⻑期的な取り組みとして3年から5年程度を要すべきであり、中期経営計画策定や周年のタイミングで、⾃社の課題解決策の⼀環として経営部門こそがリードして検討すべきと考えます。
■コーポレート・ブランディングの根幹が定まっていない
いわゆるコーポレート・ブランディングにおけるミッション・ビジョン・バリューが固まっていない。そうなると打ち出す強みや個性がコロコロと変わっているように見え、企業活動に一貫性を感じてもらいにくくなります。またミッション・ビジョン・バリューの内容が適切ではなく、社員をはじめステークホルダーに“しっくり”きていない時も、ブランドがボケやけてしまい浸透しづらくなります。
そのような場合には、新たな策定や再定義を行うべきです。「企業が存在する社会的目的」や「そこへ向かう姿勢」を明確に示します。企業ブランドがストーリーとなることで、共有されやすくなり、それぞれの部門のアウトプットも揃ってくるでしょう。IR担当、マーケティング、広報・PRの根幹をなす企業理念や志を根付かせられれば、それぞれの活動にも一本筋が通ってきます。同じ価値観から出発したコミュニケーションには、一貫性のあるメッセージが含まれ相乗効果も生まれます。また、“しっくり”くるブランドには、外部からの評価だけでなく、従業員の自社に対する誇りや仕事の充実感を与えるという効果も期待できます。

コーポレート・ブランディングの成功事例

ここで、コーポレート・ブランディングの成功事例を見てみましょう。
某総合商社では、BtoBの企業であるにもかかわらず、コーポレート・ブランディングの⼀環として、テレビCMを⼤々的に放映しています。もちろん、それは変わったことではありませんが、その放映時期に注⽬すると、新卒採⽤の就職活動期間と合致しています。また、その内容も「働く魅⼒」を謳っていて、⼊社意欲を湧き⽴たせるものになっています。
また急成⻑中の某ITサービス企業において、コーポレート・ブランド強化を担うブランド戦略室では、「採⽤⼒強化」を重要なKPIに設定し、採⽤活動を通したコーポレート・ブランディングに⼒を⼊れています。特にBtoB企業においては、会社の知名度が、学⽣・求職者からの志望度に直結する場合が多く、このようなアウター・ブランディングの施策が、採⽤・ブランディングにとっても⼤きな追い⾵となるのは間違いありません。
某健康器機メーカーは、企業ブランドが確⽴する前は、どちらかというと地味で堅実なイメージの企業でした。そこで「⼈々の健康づくりに貢献する」という社会的意義を⼤きく掲げ、この活動の⼀貫として⾷堂やレシピ本などのメディアやツールを展開。ターゲットに健康という自社の社会的意義を実感させることで、コーポレート・ブランディングを⼤成功させました。

部門を超えたコーポレート・ブランディング成功の3つのポイント

まとめると、コーポレート・ブランディング成功のためのポイントは、以下の3つが挙げられます。
①⼈事、広報、マーケティングなど各部⾨が⾜並みをそろえ、相乗効果を狙う。
②すぐに結果を求めず、中期経営計画などと連動させ3年から5年をかけて定着を試みる。
③コーポレート・ブランディングの根幹を固める。
3つ全てを完璧におさえる必要はありませんが、考慮する価値は⼗分にあるはずです。
揚⽻では、この3つのポイントをおさえるだけでなく、プランニング、リサーチ、コンタクトポイント、クリエイティブ制作まで、⼀気通貫で⾼いクオリティのサービスを提供できます。
コーポレート・ブランディングの強化を図るなら、ぜひこちらをご覧ください。

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WRITER
黒田天兵

インナーブランディング研究室
室長

黒田天兵

ブランディングにおけるソリューション実績700社を超える (株)揚羽にて、コーポレートコミュニケーション事業の立ち上げから推進まで行っている責任者。携わったインナーブランディング実績はおよそ200社、財閥系大手企業から近年注目されている急成長ベンチャー企業まで幅広く担当し、理念浸透・意識改革などのプロジェクトに携わる。大学時代は哲学に没頭。ハイデガー、デカルト、カント、ニーチェを研究。