アウターブランディングとは?その活動がもたらす効果

皆さん、こんにちは! 制作部でディレクターをしている石塚です。最近「ブランディング」という言葉を目にする機会が増えてきましたね。そこで今回、ワタシ的に気になる最近のアウターブランディング事例を紹介していきます。

 

アウターブランディングとは、対外的に企業やブランドをアピールしていく活動です。顧客からのイメージはもちろん、収益などをも左右する極めて重要なもので、成功すれば次のような効果が期待できます。

 

企業やブランドイメージの向上・定着

顧客が自社やブランドに持つイメージを向上させたり、企業やブランドの名前を聞いただけである程度具体的なイメージが浮かぶようにその存在を定着させたりできます。

 

同業他社との差別化

自社の強みをしっかりアピールしイメージをつくり上げて世の中に浸透させることで、ブランディングができていない企業よりも顧客に選んでもらいやすくなり、差別化につながります。

 

新規顧客・リピーターの確保

自社の魅力や理念をしっかり伝えていくことで、新規顧客にアプローチできることはもちろん、既存顧客に何度も選ばれるきっかけをつくり出します。

 

長期的な収益向上

イメージの定着・向上、競合との差別化などにより、顧客の開拓・確保することができ、長いスパンでの収益向上につながります。

 

つまり企業やブランド、商品やサービスのイメージアップが、顧客の獲得や収益の向上につながるのです。

 

アウターブランディングと対をなすインナーブランディングも

社外に向けてアピールするアウターブランディングに対し、社内を対象としたインナーブランディングという考え方もあります。インナーブランディングとは、主に社員に対する投資活動のことを指します。

 

具体的には、教育から表彰、評価、インセンティブ、オフィス環境、福利厚生まで、自社や社員に身近なものすべてがインナーブランディングの投資対象となり得ます。詳しくは別の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

インナーブランディングを日本一わかりやすく解説

 

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アウターブランディングの成功事例-企業・ブランド編

アウターブランディングを成功させるにはどうすればいいのでしょうか。効果的にアウターブランディングを行うために必要な戦略ポイントを、成功事例や施策を挙げて解説していきます。

 

事例1:あえて製品を出さなかったApple「Think Different.」

アウターブランディングの成功事例としては、Appleが挙げられます。

 

「Apple」と聞けば、ほとんどの人がブランドや製品のことを具体的に思い浮かべられるでしょう。創業以来、「Mac」や「iPhone」といった革新的な製品を生み出し、あらゆる施策で世の中に発信し続けています。

 

その活動の代表例として、1997年の広告キャンペーンのスローガン「Think Different.」が挙げられます。テレビCMでは、製品については一切語られません。アインシュタインやキング牧師など、「反逆者」などと呼ばれながらも世界を変えてきた偉人のことのみが語られる斬新な内容です。

 

偉人たちの姿勢に、常識にとらわれないAppleの理念やコンセプトを重ね合わせたこのキャンペーンは、絶大な訴求力を発揮しました。製品の特徴そのものを伝えなくても、ブランドの魅力を効果的に訴えることで、人々を引き付け、購買意欲を刺激したのです。

 

今でもAppleの製品には、競合製品より高額であっても、ブランドの世界観が反映された優れたデザインや革新性などから、根強いファンを数多く獲得しています。ブランドの魅力から製品が選ばれることは、アウターブランディングの効果が体現されていると言えるでしょう。

 

アウターブランディングの成功事例-商品編

次に商品におけるブランディングの成功事例として、皆さんもご存知の「Red Bull」「BOSS」「ポカリスエット」の3つのドリンクを見ていきましょう。どれも効果的なブランディングや数々のプロモーションによって、顧客認知や売上を上げている事例ばかりです。

 

事例1:エナジードリンク市場を開拓した「Red Bull」

「Red Bull」(レッドブル)と聞けば、「翼をさずける」というメッセージがすぐに思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。Red Bullは、オーストリアのRed Bull GmbHが販売する清涼飲料水です。日本において「エナジードリンク」という新ジャンルを創出したRed Bullは、徹底したブランディングを行い、自分たちのイメージを定着させていきました。

 

テレビCMでは、登場するキャラクターが、Red Bullを飲むことによって普通では考えられないようなすごいことができるようになるというストーリーが打ち出されました。

 

さらに、「翼をさずける」という一つのメッセージのもと、メディアプロモーションだけではなく、商品イメージに合うスポーツなど多様なイベントに協賛したり、街でのサンプリングを行うなど、リアルな場でもターゲットとの接点をつくってきたのです。

 

その結果、ただの疲労回復のための栄養ドリンクではなく、自分の限界を超えるために「翼をさずけるもの」というストーリーを印象付けました。

 

事例2:あらゆる働く人のニーズに応える「BOSS」

サントリーの缶コーヒー「BOSS」(ボス)は、「働く人の相棒」をコンセプトに、1992年の発売以来多くの人に長期的に親しまれています。俳優のトミー・リー・ジョーンズが宇宙人を演じるテレビCMは、皆さんもよくご存じでしょう。

 

2017年には発売25周年を迎え、新たに「クラフトボス」を発売しました。缶コーヒーをあまり飲まないIT系のオフィスワーカーの働き方に合うよう、業務のかたわらで少しずつ飲むことに適したペットボトルタイプの本格コーヒーです。

 

働きながら飲用できるクラフトボスは、ネット配信のCMなどのプロモーションによって既存・新規顧客双方にアプローチし、缶コーヒーと縁遠かった女性や若者にも好まれ、結果として大ヒットを記録しました。従来の「働く人の相棒」というコンセプトは踏襲しながら、働く環境の変化によるニーズに気づき、新たな市場を開拓したのです。

 

事例3:幅広い施策でメッセージを届ける「ポカリスエット」

大塚製薬が販売する「ポカリスエット」は、今年で発売40周年を迎えました。幅広い世代に人気のドリンクですが、特に中高生に寄り添ってきたことで有名です。中高生というターゲットは定期的に代替わりするためマーケティングが難しいと言われていますが、毎年変化をつけた幅広いアプローチにより、若者の共感を集めています。
近年では「潜在能力を引き出せ。」「自分は、きっと想像以上だ。」というキャンペーンコピーのもと、テレビCMや新聞広告だけではなく、SNSやYouTubeなど若者に届きやすいデジタルメディアを活用し、あらゆる施策でターゲットにアプローチしています。大勢の若者がダンスをする、躍動感やチームワークが印象的なCMを覚えている方も多いのではないでしょうか。

 

2020年のキャッチフレーズは「渇きを力に変えてゆく。」です。コロナ禍の世情を反映し、若者一人ひとりがそれぞれの自宅で歌い、離れていても歌声で一つになる「ポカリNEO合唱」が話題になりました。「若者に寄り添い、応援する」という変わらないイメージを、変化が激しいターゲットに合わせたメッセージや施策で効果的に伝え続けているのです。
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アウターブランディングの施策

成功事例を見ても分かるように、アウターブランディングの主な目的は、対外的に企業やブランドの価値を「正しく」「ポジティブに」「効果的に」発信し、イメージに一貫性を持たせるよう働きかけることです。対外的に露出するあらゆるものが、アウターブランディングの対象になります。
施策としては、例えばロゴやパッケージのデザイン、Webサイトやパンフレット、動画、広告、イベントなどはもちろん、企業のIRや広報活動全般も含まれます。近年は、SNSにおけるマーケティング施策もよりいっそう重要視されています。

 

ターゲットに合わせて選んだ施策の全てを、一つの世界観のもとで統一して制作・発信することでブランディングの効果が高まります。

アウターブランディングを成功させるポイント

すでに多くの企業がアウターブランディングに取り組んでいます。企業やブランド、商品やサービスの名前を聞いただけで、多くの人に具体的でポジティブなイメージを思い浮かべてもらうには、どうすればいいのでしょうか。

 

まずは、自社やブランドの現状を把握し、ターゲットや持ってもらいたいイメージ、目指すべきビジョンを具体化していきます。そのためには、その姿や世界観(コンセプト)を言語化すること、「言葉づくり」が鍵です。目指すべき企業やブランド像を確立させ、発信していくための力強い言葉をつくることが、アウターブランディング成功への第一歩となります。
とはいえ、いきなり「言葉づくり」と言っても、何をすべきなのか戸惑ってしまいますよね。当社は、アウターブランディングだけでなく企業の多様なブランディングにおいて実績があります。確かな企業理解にもとづく言葉づくりから制作物の企画・納品まで、高いクオリティで一貫してお引き受けできます。少しでもご不明な点があれば、いつでもお気軽にお問い合わせください。

*本記事に掲載の商品・サービス名は各社の商標・登録商標です。

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