制作業界で働く人たちが、下請けから解放され、選択の自由を手にし、 無茶な仕事をすることなく、お客様とWINWINの関係を構築し、 感謝されている。 優秀な学生がこぞって制作業界を目指し、 制作業界が産業界をリードする存在になっている。 しかし今、制作業界は、広告代理店の庇護の元、 仕事が来るのを口を開けて待っているのみ。 生殺与奪は代理店に握られている。 自然、代理店とは完全な上下関係ができ、無茶な仕事でもせざるを得ない。 長時間労働、無駄な資料やカンプの作成、仕事に見合わない安い金額。 しかし、仕事を断ったら社員を食べさせることは出来ない。 だから、忸怩たる思いを募らせながら、今までの関係を変えられない。これが現状だ。 代理店は、必死に営業努力をしている。だから、待遇は良くて当たり前。 それはそうだと思う。 しかし制作会社も必死に作ってる。 でも待遇は悪い。 制作は楽しい。 好きなことやってるんだから、待遇が悪いなんて当たり前。という考え方の人がいる。 あながち全ては否定できないが、 それは低いレベルで仕事をする人に限定すべきだ。 高いレベルで制作の仕事をする人は、楽しい仕事を高待遇でやって然るべきだと思う。 それには、今の代理店依存ではダメで、自立したスタイルと能力が必要。 具体的には、代理店と同様もしくはそれ以上のビジネス感覚を持ち、 営業努力をし、高いクリエイティビティを発揮することだ。 みんなが佐藤可士和さんのような姿を目指すことだと思う。 代理店の存在を否定するわけではない。 大きなキャンペーンやマスメディアは代理店の存在なくしては実現不可能だ。 しかし、一本の映像、パンフレット、WEBサイトの制作に代理店は必要だろうか。 そこで制作会社はもっと力を発揮すべきである。 クライアントの中には、制作会社直発注を避ける方もいる。 理由は 制作会社は、対応力が悪い。コミュニケーション能力が低い。 ビジネス感覚が弱く、こちらのいっていることが理解出来ない。 課題よりもクリエイティブの好みに引きずられる。 痒いところに手が届くような気遣いがない。 このような理由ではないだろうか。 だとしたら、その課題をクリアすれば良いのだ。 ビジネス感覚に優れ、対応力も高く、気遣いが出来る。そのようなクリエイターを採用し育てるのだ。 そういうことがなかなか出来ない職人型のクリエイターは数多く存在する。 その中でも、物凄く腕のいい人はある一定の存在として残っていくが、そうではない人は、 今までのように、悪条件で働くしかない。でもそれは幸せではないと思う。 私は、そういう人材にしてしまったのは、制作会社の経営者の愚民政策だとさえ思う。 今後は、制作会社の経営者が、代理店頼りの経営をやめ、営業組織を持ち、社員を教育し、 クライアントとWINーWINの関係を築いていくことでこの業界を、 下請けから一流の人材が集まる業界に変えていくことが出来ると思っています。 それが私の夢です。
2014.09.30
私には夢がある。

writer

湊剛宏
早稲田大学卒。
1992年リクルート入社。新卒採用、中途採用、教育研修の営業を7年間経験。
1999年テレビドキュメンタリー制作会社に転職。
AD、ディレクター、プロデューサーを経て、
2001年揚羽プロダクション(現株式会社揚羽)設立。
趣味:ラグビー、ダイビング スキル:ほめ達検定2級