昨今「サステナブル」の重要性は、世界的に認識されつつあります。海外の企業だけでなく、日本国内の企業も積極的にサステナブルに取り組んでいることから、「自社も早急に対応すべき」と考えている会社も多いのではないでしょうか。北欧などで先進的に実施されている「ESG投資」への評価も背景にあることから、企業にとってサステナブルへの取り組みは重要なものとなっています。

 

しかし、サステナブルの基本的な意味やその取り組みの意義が不明なままだと、適切な対応は難しくなるでしょう。そこで本記事ではサステナブルの基本的概要と、企業の取り組み事例について解説します。

 

サステナブルとは

サステナブルは、自然や生物、資源など地球環境の保全を図りながら、持続可能な経済活動、安定的な社会づくりを目指すという意味を表す言葉として使われています。

 

従来の企業は利益追求のために、ときに自然環境を蔑ろにした行動を起こしてきました。しかし、昨今の社会情勢はそういった企業の行動を避難し、低い評価をつける傾向にあります。そのため企業はサステナブルを理解し、環境保護や社会貢献に関する活動を起こす姿勢が求められているのです。

 

サステナブルは「持続可能な」という意味を持つ言葉

サステナブルという言葉には、「持続可能な」という意味があります。「長期的に物事への取り組みを持続させること」を意味し、主に人間の生活にまつわるものが持続させるべき対象として捉えられます。

 

先に解説した通り、サステナブルは世界全体の問題として捉えられています。日本国内の企業も意識すべき課題でもあり、それぞれが適切な知識と行動によってサステナブルな取り組みを実施することが求められているのです。

 

環境・社会・経済の3つの領域で取り組まれる

サステナブルは、特に環境・社会・経済の領域で取り組まれる考え方です。現存する自然や資源を守りつつ、より良い暮らしを行うために必要なシステムの構築を目指すのがサステナブルの基本的な姿勢となります。

 

企業は利益だけでなく長期的な視点で世界全体のことを考え、事業を進めることが求められる時代になっています。

 

サステナブルとCSRの違い

サステナブルと似た言葉に、「CSR(Corporatetion Social Responsibility)」というものがあります。
「CSR」とは、「企業の社会的責任」という意味を持つ言葉です。企業は利益追求だけなく、利害関係を持つすべての人(消費者や社会など)の要求に対応すべきという考え方が含まれています。

 

サステナブルは社会全体で取り組むものですが、CSRは企業が主体となって進めていく内容という違いがあります。

 

サステナブル CSR

 

サステナブルが注目されている背景

サステナブルは昨今世界全体で注目され、その知名度は企業だけでなく一般人にも浸透しています。なぜ今サステナブルが注目されているのかを、以下で解説します。

 

SDGsが採択されたことで注目が集まる

1987年開催の「環境と開発に関する世界委員会」で、はじめてサステナブルが議題に挙げられました。その後、1992年に開催された「地球サミット」でも再度注目され、徐々に世界にサステナブルという概念が浸透していく結果になったのです。

 

そして2015年の国連サミットで「SDGs(Sustainable Development Goals)」が正式に採択され、その概念を実現する方法としてサステナブルに注目が集まることになりました。

 

CSRの普及によって「企業ができること」が明確になりつつある

先に解説したCSRの普及によって、企業で取り組めるサステナブルな施策が明確になっています。企業がいかにサステナブルを意識し、その取り組みに積極的になっていけるかが、SDGsの実現に大きな影響を与えると考えられるでしょう。

 

企業としてサステナブルな取り組みを主体的に進めることは、昨今の社会問題を解決する上で欠かせない要素になっているのです。

 

サステナブルにおける日本と海外の違い

サステナブルは日本と海外で、その認識などが異なっています。以下では、日本と海外におけるサステナブルの違いを解説します。

 

サステナブルに対する認識が大きく異なる

日本におけるサステナブルとは、社会への貢献や環境の配慮を軸とし、企業としての価値を高めるための施策が多いのが特徴です。一方で、海外は事業そのものを社会や環境と統合し、持続可能な施策による社会的な支援を目指すスタイルが基本となっています。

 

「電通グローバル・ビジネス・センター」と「電通総研」の「サステナブル・ライフスタイル意識調査2021」によると、日本と海外では関心のある社会的な課題も違うことが分かっています。たとえば日本は「自然災害」にもっとも関心がありますが、ドイツやイギイスでは「海洋プラスチックごみ」に1番の関心が集まっているのです。

 

このように日本と海外では、サステナブルな取り組み方や認識されている課題などに違いがあります。

 

サステナブルな取り組みを強化するメリット

企業にとってサステナブルへの取り組みを強化することには、以下のメリットがあります。

 

新しいビジネスが生まれる可能性がある

サステナブルな取り組みは、新しいビジネスを生み出すきっかけになる可能性があります。これまでとは違った方法や視点から事業を展開することになるため、従来の手法では発見できなかった自社の価値に気づけるケースがあるのです。

 

サステナブルな取り組みに力を入れることは、停滞している事業に新しい価値観を付与し、利益を作り出す可能性があるでしょう。

 

従業員のモチベーション向上につながる

サステナブルな取り組みによる社会貢献は、従業員のモチベーション向上につながるメリットもあります。サステナブルな取り組みが習慣化すれば、「自分たちの仕事が社会や環境に良い影響を与えている」という認識を持てるようになるでしょう。

 

それは従業員の仕事に対する姿勢を変化させ、やる気を作り出すきっかけになると期待できます。

 

従業員 モチベーション

 

企業イメージおよび価値の上昇

サステナブルやSDGsには、一般層からの関心も高まっています。そのため企業として積極的な取り組みを行っている姿勢をみせることで、企業イメージやブランド価値の向上につながるメリットがあるのです。

 

「あの企業はサステナブルやSDGsに貢献しているから応援しよう」という形で、自社を認識してくれるケースは今度増えると予想されます。

 

サステナブルを意識した事業に求められるポイント・注意点

サステナブルを意識した事業に取り組む際には、以下のポイントや注意点を把握しておくことが重要です。

 

持続可能な事業を展開するのが基本

サステナブルにおける取り組みでは、基本的に「長期的な視点」および「持続可能な要素」を含んだ事業展開が求められます。短期間で利益を出すような施策や、1度しか実行しない計画はサステナブルとして機能しないのです。

 

サステナブルに関する計画を立案する際には、長期的かつ持続可能な要素を取り入れるのがポイントになります。

 

サステナブルな取り組み内容に独自性があるか

自社ならではの取り組みを行うことが、価値あるサステナブルを実施する際のポイントです。業界ならではの特徴や会社が影響を与えられる範囲を把握した上で、独自のサステナブルを実施することで説得力のある取り組みが可能となります。

 

他企業がすでに実施している取り組みをただマネるのではなく、自社だからできることを模索していくのが重要です。

 

無理な取り組みは社内トラブルの原因になる

サステナブルな取り組みを重視するあまり、従業員に負担をかけてしまうケースがあります。実現困難な事業内容や従業員にリターンのない施策を実施すると、不満が募って社内トラブルに発展する可能性もあるので注意が必要です。

 

まずはサステナブルの意味や企業として取り組む意義を社内に浸透させ、従業員からの理解を得るプロセスが必要になるでしょう。

 

サステナブルな成果を測るための指標

サステナブルな取り組みをはじめる際には、その成果を測るための指標を把握しておくことも必要です。

 

GRIスタンダード

「GRIスタンダード」とは、サステナブルにおける国際的な基準です。2016年に発表され、2017年に日本語版が公開されました。

 

全34項目で構成され、社会、環境、経済のジャンルごとにそれぞれ基準が制定されているのが特徴です。

 

DJSI

「DJSI」とは、アメリカの「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社」とスイスの「RobecoSAM社」によって共同開発されたサステナブルに関する指標です。世界の大手企業3,000社以上を対象に、社会・環境・経済の観点から分析を行い、優れた実績を持つ企業を選定しています。

 

DJSIは現在も国際的に信頼度の高い指標として、世界的に注目を集めています。

 

企業のサステナブルな取り組み事例

すでにサステナブルな取り組みは、多くの企業が実施しています。以下では、サステナブルな社会への具体的な取り組み事例を紹介します。

 

サステナブルな取り組み事例1.トヨタ自動車

「トヨタ自動車」は、「トヨタ環境チャレンジ2050」という長期的な目標を掲げてサステナブルな取り組みを実施しています。CO2排出量ゼロを目指すことや、災害時に備えて「予備電源」になる自動車の開発などが目標に含まれていることから、世界的に注目を集めています。

 

株式会社 博展が実施した「サステナブル・ブランド国際会議2021横浜」にて、トヨタ自動車は「生活者のSDGs(持続可能な開発目標)に対する企業ブランド調査」で総合1位を獲得するなどの実績もあります。

 

サステナブルな取り組み事例2.ユーグレナ

「ユーグレナ」は、「Sustainability First」という目標を掲げ、気候変動に対する具体的な対策を実施している企業です。藻の一種であるユーグレナ(ミドリムシ)を活用したバイオ燃料(通称サステオ)の製造を成功させ、日本をバイオ燃料の先進国にすることを目指しています。

 

また、売上の一部を「ユーグレナGENKIプログラム」の協賛金として提供し、バングラデシュの子どもたちに栄養豊富なユーグレナクッキーを無償配布して貧困改善に貢献しています。

 

「第5回ジャパンSDGsアワード」では「SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞」を受賞するなど、さまざまな結果を残している企業として注目されています。

 

サステナブルな取り組み事例3.大林組

総合建設会社「大林組」は、「Obayashi Sustainability Vision2050(OSV2050)」を中長期的な環境ビジョンとして打ち出しています。2050年のあるべき姿を想定し、地球・社会・人のサステナビリティの実現を目指している事例として注目されています。

 

取締役会でESGへの取り組みを決定し、各部門がその実現のための事業を進めているのが特徴です。社会貢献や環境など、さまざまな方向性への取り組みを実施している事例として参考にできます。

 

サステナブルな取り組み事例4.イオン

「イオン」は植樹活動や脱炭素社会の実現を目指して自然環境への貢献を進めたり、紙パルプや木材を持続可能な原料を100%利用するように改善したりといったサステナブルな取り組みを行っています。

 

その他、食品廃棄物削減プロジェクトへの参画や、使い捨てプラスチックの使用量を2030年までに半減する目標を立てるなど、多方面でサステナブル事業を展開している企業事例です。

 

サステナブルな取り組み事例5.H&M

「H&M」は、二酸化炭素の排出量を抑えて商品を作る「リサイクルポリエステル」や、「サステナブルに調達された木材パルプ60%と認証済みのリサイクル廃プラスチック40%で作られたセルロース糸」を使用した「Naia™Renew製」というボディスーツを作成して、従来リサイクルが難しいとされてきた素材に価値を与えています。

 

ESG投資の世界的指標であるダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)に8年連続で選出され、2020年にはスコアで4位を獲得するなどの実績を挙げています。

 

まとめ

サステナブルは、企業にとって今後の事業方針や方向性を決定する要素にもなり得る重要なものとなっています。企業価値の向上や新たな利益獲得につながるメリットもあるため、これからサステナブルな取り組みを本格化していくことがおすすめです。

 

サステナブルな取り組みを計画するなら、ブランディングにおけるさまざまコンサルテーションを実施している「株式会社 揚羽」にご相談ください。株式会社 揚羽は、他企業と差別化につながる「サステナビリティブランディング支援」を行っています。サステナブルな未来を意識したブランド構築をサポートできるので、ぜひお気軽にお問合せください。

 

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