企業が理系学生の採用に苦戦する理由

皆さまこんにちは! 揚羽の制作部でディレクターをしている石塚です。

 

先日「【POL × 揚羽】理系採用オンライン化の罠をリクルーター活用で解決」と題した採用セミナーを開催しましたが、AIやIoTなどデジタル技術の進化が加速する中、企業では優秀な理系人材の獲得がますます重要な課題となっています。
セミナーレポート記事はこちら

 

一方で、多くの企業が理系学生の新卒採用に苦戦していると言われているのが現実です。背景としては下記3つが考えられます。

 

■少子化に加え、文系学生と比べると、理系学生の人数そのものが減少している。
■研究設備や体制、積めるキャリアが充実していそうといったイメージから、大手企業を志望する理系学生が多い。
■大学院への進学や、大学や教授からの推薦で進路を選ぶ学生も多く、新卒採用市場に現れにくい。

 

大手志向や学校の推薦枠の比重については、理系学生は文系学生と比べると、研究などの忙しさから就職活動や企業のリサーチ、比較検討に当てる時間が確保しにくいといった特徴があると言われているのも、影響していそうです。

 

そうしたこともあってか、企業では、ニーズが高まるエンジニアなどの人材が不足しているといった声が聞かれます。自社に必要な、優秀な理系学生を採用するには、どうすれば良いのでしょうか?

理系学生と接するチャンスを逃さない

まずは、自社の採用に興味を持ってくれる学生を集めること、つまり「母集団の形成」がカギです。母集団を形成するには、学生との接点(タッチポイント)を作らなくては始まりません。タッチポイントの作り方としては、例えば「理系学生に特化した就活ナビや説明会を利用」「大学や研究室との連携」「大学やオンラインでの説明会の実施」「『ダイレクトリクルーティング』の活用」などが挙げられます。

理系学生に特化した就活ナビや説明会の利用

理系学生に向けた求人やイベント、就活情報のオンラインプラットフォームです。理系学生の認知度が高く、情報を学生に見てもらえる機会が多いと言えるでしょう。そうした就活ナビが開催する理系学生限定の合同説明会への参加も、より踏み込んで学生との接点を持てるチャンスがあります。

大学や研究室との連携

前述のとおり、理系学生は就活に割く時間がなく、大学・教授からの推薦やつながりから就職先を決めることも多くあります。研究室の先輩の口コミによる影響も大きいようです。大学のつながりでアプローチを受けた学生がその企業へ応募するケースは、皆さまの周りでもよく見られるのではないでしょうか。

 

若手社員の母校などのつながりから、大学や研究室との信頼関係を構築し、大学・教授側から学生にアプローチしてもらえれば、研究室内での口コミ効果も期待でき、想定以上の効果をあげられる可能性があります。

大学やオンラインでの説明会の実施

時間のない理系学生にとっては、自身のフィールドである大学や、移動の手間がなく参加できるオンラインでの説明会は、すき間時間でも参加してもらいやすいでしょう。学内セミナーは、「この会社は自分たちに興味を持ってくれている」といった好印象も与えられます。

 

また、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、オンラインで説明会を開催する企業が急増しています。遠方の学生も参加がしやすいというメリットもあってか、インターンシップや面接もオンライン化しているのが現状です。
インターンシップのオンライン化ソリューションはこちら

「ダイレクトリクルーティング」の活用

大学や教授から学生に声をかけてもらうのも「オファー型」と呼ばれる採用手法の一種ですが、近年注目を集めているのが「ダイレクトリクルーティング」と呼ばれるものです。

 

ダイレクトリクルーティングとは、企業が主体となって、自社に必要な学生をデータベースから探し出し、獲得したい人材に対してピンポイントで直接アプローチできる手法です。大学や研究室へのリクルーターやOB・OG訪問がオンライン化し、さらに採用ターゲットに対する精度が向上したようなイメージでしょうか。あらかじめ採用ターゲットを絞り込んで、優秀な学生とコミュニケーションを深めやすいと言えるでしょう。
採用ターゲット設定に関連するダウンロード資料はこちら(求める人物像の定義の仕方)

 

とはいえ、ただやみくもに接点を作っても効果は上がりにくいです。必要な理系学生を獲得するには、効果的なアプローチを考えなければなりません。

自社が採用ターゲットとする理系学生への効果的な「伝え方」

理系学生へ効果的にアプローチするために押さえるべきポイントは、「スケジュール」と「コンテンツ」です。

就活の時間を確保しにくい理系学生に配慮した、柔軟なスケジュール

就職活動の大枠のスケジュールは文系学生とあまり変わらないかもしれませんが、大きな違いは「時間」です。繰り返しとなりますが、理系学生は大学での研究が忙しく、いつでも選考を受けられる状態とは言えません。理系学生が取り組む研究課題や分野によっては、研究室を離れることすら難しい時期もあるでしょう。型どおりにスケジュールを引いて決定するのではなく、大学などからもヒアリングを行って、理系学生に対して柔軟に選考スケジュールを組む必要があります。

自社を魅力的に紹介するコンテンツ

媒体や手法としては、Webサイトやパンフレット、説明会のフォローツール、Web広告などの活用が考えられます。Web広告の中でも、「ジオターゲティング」はGPSの位置情報を利用して広告を配信する手法です。特定の大学をターゲットに、ピンポイントで広告を配信することができ、年齢や性別などのデータも掛け合わせて高い精度でターゲティングが可能です。
弊社が提供するWeb広告はこちら(ビズミルジオターゲティング)

 

目的に応じて特性の異なる媒体や手法を使い分けることも大切ですが、何で伝えるかだけでなく、どのように伝えるかも重要です。当社はさまざまな企業の採用ブランディングに携わらせていただいていますが、文系と理系では、惹かれるメッセージも異なる印象を受けます。

 

例えば、文系学生は、理念など「企業の想い」により惹かれる一方、理系学生は「その企業で自分は何ができるのか」といった点を重視するような傾向も見られます。自分の専門性が生かせるかどうかなどの理系学生の疑問や不安を払拭し、志望意欲を高めるためにも、当社では、採用メッセージはもちろん、事業・職種紹介などのコンテンツの作り方も採用ターゲットを考えながら制作に取り組んでいます。

 

職種の伝え方に関しては、例えば「エンジニア」だけでは、入社して何ができるのかが正直分かりません。学生が仕事をイメージしやすいように、分野や仕事内容などを具体的に伝えていく必要があります。何らかのファクトやデータを見せるのも、より論理的に考える理系学生には伝わりやすいでしょう。

理系採用に特化した採用支援サービスとは

少し話は戻りますが、理系採用に特化した就活ナビについて、特徴とともにいくつか紹介します。(2020年12月時点)

理系ナビ

理系学生の認知度が高いナビサイトです。Webサイトと情報誌で、理系の就活を支援する情報を発信していて、情報誌は大学などに配布されています。

LabBase

理系学生へのダイレクトリクルーティングを行うことができる、オファー型/スカウト型のサービスです。データベースに登録された理系学生の研究内容やスキルを見て、自社に必要な優秀で専門性の高い理系学生に、企業が直接アプローチできます。

ちほりけ

地方の理系学生は、首都圏の学生に比べて就活にかかる費用・移動時間・労力などの負担が多くなります。「ちほりけ」は、交通費など選考の際にかかる費用を、地方の理系学生1人あたり最大6万円まで支給して負担を軽減してくれるそうです。地方の理系学生と首都圏の企業を結びつけ、企業が地方に赴かなくても全国の理系学生と接点を持ちやすくなります。

エンジニア就活

ITエンジニアやプログラマーに特化した新卒採用支援サービスです。「プログラム研修」など、人材を育成するサービスも行っています。求職者のスキルなどの情報も充実していて、希望のスキルを持つ人材を効率良く探すことができるようです。

Paiza新卒

ITエンジニアやプログラマーなど、IT人材に特化したサービスです。コーディングといった実技のテストで一定水準に達した学生と面談できる、といった特徴があります。ITエンジニア志望の求職者に、人気が高いサービスです。

 

他にも、リクナビやマイナビにも理系採用に特化したサービスがあったり、理系学生をターゲットにした就活ナビは多岐にわたります。

理系学生の新卒採用を成功させるために

今回は、理系採用の概要やねらいどおりに進めるために押さえるべきポイントを、ざっくり紹介させていただきました。ただ、結局自分たちは何から始めるべきなのか、悩んでいらっしゃる採用ご担当者さまも多いのではないでしょうか。

 

当社では、理系学生とのタッチポイント作りのプランニングから、採用ターゲットへの訴求コンテンツの企画から制作・納品までサポートしております。ご不明点やお悩みの点などあれば、ぜひお気軽にご相談ください。皆さまが、自社に必要な理系学生を獲得できるよう、精一杯ご支援させていただきます。

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