はじめに

みなさんこんにちは!MAGAZINEライターの望月です。

 

私は日頃、揚羽で中途/新卒採用担当をしています。新卒採用戦略・コンテンツ設計、学生との面談・面接、候補者管理、内定者研修、内定者フォローなど、幅広い業務を行っています。

 

今回は、リクルーター制度の目的や、リクルーター制度の活用方法についておさらいしていきます。

そもそも、リクルーター制度・リクルーター面談とは?

リクルーター制度・リクルーター面談とは、人事や採用担当者ではない新卒出身の若手現場社員が候補者と直接コミュニケーションを取り、採用活動を行うことを指します。通常、新卒出身の若手社員が主にリクルーターとなり、学生と面談を通して就職活動の相談や選考アドバイスなど、細やかなフォローを行います。

企業がリクルーター制度・リクルーター面談を活用し採用するメリット

リクルーター制度・リクルーター面談の目的は、早期から良質な母集団形成を行い、選考活動につなげることです。企業にとって、リクルーター制度・リクルーター面談にはさまざまなメリットがあるので、詳しく紹介していきます。

早期から母集団形成ができる

従来の新卒一括採用のフローにおいては、本選考シーズンよりも前に、非公式的な活動として学生と接触できることがリクルーター制度・リクルーター面談の旨味でした。そのため、商社・銀行・保険・鉄道・IT・電力・建設・その他インフラ系など、経団連のスケジュールを守っている大手企業を中心に、積極的に活用されてきました。現在も早期からの母集団形成を行う手段の一つとしてリクルーター制度・リクルーター面談が活用されています。

良質な母集団形成・動機形成ができる

プレエントリー・個別説明会・エントリーシート提出時などに目に留まった学生を重点的にフォローすることができます。また、大学・部活・サークル・ゼミ活動が一緒など、身近な先輩から直接声をかけてもらうことで、学生の心理的な障壁が取れ、親近感を持ってもらうことも可能です。また、戦略的に攻めていきたい学生が集まるクラスターを定め、リファラル採用と掛け合わせて活用することもできます。リファラル採用については別記事がありますので気になる方は以下の記事を読んでみてください。
(リファラル採用成功のカギは、エンゲージメント向上にあり)

学生がリクルーター制度・リクルーター面談を活用するメリット

リクルーター制度・リクルーター面談は学生にとってリアルな情報源であり、目指す仕事や働き方ができるかどうかを想像することができるため、学生にとっても活用するメリットが大きいです。

印象操作されていないリアルで信頼できる情報源である

「先輩や友人など、リアル情報が一番信頼できる情報源だと思う。」(東京大学4年生)
「人から得る情報は本音が聞けるので信頼できる。」(早稲田大学3年生)

想像している仕事や働き方ができることをイメージできる

「自分のなりたい姿そのもののようなリクルーターと話して、「自分もこの会社に入ったらこんな姿になれるかもしれない」とイメージがついた。」(神戸大学4年生)
「凛として働いている商社の女性社員を見て、自分もこのようなキャリアを歩みたいと感じた。」(慶應義塾大学4年生)

 

※参考:弊社の学生インタビューより

リクルーター制度・リクルーター面談活用の落とし穴

早期からの優秀な母集団形成・動機形成につながるリクルーター制度・リクルーター面談ですが、活用にあたっては、「自社の魅力を伝えられているか」「リクルーターは誠実な対応ができているか」に注視する必要があります。

 選考突破アドバイスに終始し、自社の魅力を伝えられていないケース

リクルーターが選考突破のためのアドバイスをしてくれることも多く、学生も選考が有利になるから、という目的でリクルーターを活用していることがあります。しかしながら、それだけでは、学生からすると「内定をくれる会社の一つ」でしかありません。採用活動のメッセンジャーとして、自社の魅力を効果的に伝えられる人選や教育を行う必要があります。

 

「リクルーターがついたら面接で聞かれることを教えてもらえる。選考に通過しやすくて有利だと考え、内定を取るためにリクルーターを活用する友人が多かった。」(神戸大学4年生)

リクルーターの対応が志望度を下げてしまうケース

リクルーターの言葉づかいや態度をきっかけに、学生の志望度を下げてしまうこともあります。学生を目の前にして気が大きくなり、後輩に対して偉そうに振る舞ってしまうケースや、現場の仕事が忙しく、対応が疎かになってしまうケースなど、求めていたフォローを発揮してくれないことがあります。昨今ではリクルーターと学生との間で立場を利用した許しがたいコンプライアンス違反も発生しています。誠実な対応を行えるよう、人選と教育が必要だと考えます。

 

「リクルーターの言葉づかいや自分への態度に雑さや馴れ馴れしさを感じた。行きたかった会社だったが、自分は重視されていないんだと考え、志望度が下がった。」(青山学院大4年生)

 

※参考:弊社の学生インタビューより

リクルーターを効果的に活用するための研修・制度や文化形成とは?

落とし穴を避け、リクルーター制度・リクルーター面談を効果的に活用するためには「現場社員にポジティブに受け取られるような制度設計・文化形成」を行うことが非常に重要です。

 

リクルーター制度・リクルーター面談を効果的に活用している事例として、サイバーエージェントがあります。サイバーエージェントでは、300人程度のリクルーターを選出し、リクルーターを巻き込んだ採用戦略策定・母集団形成・面接の企画・運営が行われています。サイバーエージェントでは採用に関わることは非常に名誉なことです。選ばれた活躍者でしか採用には関われないという文化が形成されているからです。リクルーターが集まるキックオフでは社長からの激励の言葉があったり、1年を通してベストリクルーター賞が設定されていたりと、リクルーター制度・リクルーター面談を盛り上げるための働きかけがなされています。サイバーエージェントではリクルーター活用により、内定承諾スピードを1.5倍に早めるという目的が達成されたそうです。

 

※参考:「クリエイティブ人事」曽山哲人・金井壽宏 著

 

弊社でも、面談やインターンシップのフィードバックなど、要所要所で現場社員に協力してもらっています。特に意識しているのは信頼して情報開示を行うことです。リクルーター説明会では「会社の中での採用の意義とは」「なぜ採用するのか」「採用活動の中での課題はどこにあるのか」「どんな学生をターゲットとしているのか」「今年の採用活動で何を成し遂げたいのか」「みなさんに何を期待するのか」などについて、オープンに伝えるようにしています。また、現場面談の前には、学生の簡単なプロフィールや、どんな話をしてほしいのかについて共有しています。信頼して情報開示を行っているからこそ、採用に関して建設的な意見や提案が上がってくることも多いです。

ターゲット学生にマッチしたリクルーターの選び方やポイント

リクルーター制度・リクルーター面談を効果的に活用するために、学生にマッチした最適なリクルーターを選ぶことが動機形成にとっては非常に重要です。

 

人数が多くなればなるほど、個々の学生に合わせて選び方を変えていくのが難しくなるかもしれません。その場合は、いくつかのペルソナ(人物像)・パターンを設定し、それぞれのパターンを合ったリクルーター群を管理することが望ましいでしょう。
ペルソナ設定に関連するダウンロード資料はこちら(求める人物像の定義の仕方)

 

弊社の場合は、大きく分けて3タイプのペルソナ・パターンを設定し、パターンに応じて採用初期のコミュニケーションを意識的に変えています。さらに人事面談でヒアリングした内容をもとに、学生の状態や就職活動状況に合わせて、以下のようなことを意識して現場社員の人選を行っています。

 

・学生のありたい姿/理想的な状態に近く、ロールモデルとなる社員
・本人が伸ばしていきたい力を持っている社員
・これまでの人生経験・背景が共通しており、親近感を感じる社員

 

多い学生だと内定承諾までに10人以上の現場社員と会います。そのため、会社に対して誤解やミスマッチのない形で内定承諾をすることができます。結果的に20卒における総合職の新卒採用では、内定承諾後の辞退者がゼロでした。

リクルーター育成・発掘にはBiZMiL SURVEYが効果的

弊社はまだまだ140人程度の小さな組織でもあるので、学生や現場社員の顔が分かる状態で採用活動を行うことができますが、より大きな組織になると一人ひとりのリクルーターの組織に対する貢献欲求や仕事に対する意欲は見えにくいものです。

 

「BiZMiL SURVEY」は、【自社社員から見た自社の採用ブランド】を定量的に「見える化」します。社員、内定者、人事の3者にアンケートを回答いただき、

 

・社員が自社のどこに魅力を感じ、アピールすることができるのか
・学生を口説くトークを確立できているのか
・学生にそのトークが刺さり、グリップできているのか

 

について、サーベイを活用することで、22卒の採用活動が本格化する前に3者間の認識ギャップによる課題を洗い出します。調査結果をもとに採用プロセス改善やインナーブランディングの改善提案等も行っており、自社の更なる採用力強化が期待できます。リクルーター制度・リクルーター面談をより一層効果的に活用したい人事、採用担当者の方はぜひ弊社にご相談ください。

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