企業の変革や風土改革を進めるうえで、「意識改革スローガン」を取り入れることは、従業員の意識を変え、企業理念や目指すべき方向性を意識浸透させる上で非常に効果的です。社外へのアピールだけでなく、社内の一体感を高める力も持っています。

しかし、「スローガンとは、どのように設定すれば良いのだろう?」と悩む担当者の方も多いのではないでしょうか?

本記事では、意識改革スローガンを設定するメリットや具体的な作り方、作成時の注意点、そして組織全体に意識浸透させる方法についてご紹介します。ぜひ参考にしてください。

意識改革スローガンとは?

意識改革スローガンとは、企業理念や会社の目標、特に変革や風土改革で目指す姿を、簡潔に分かりやすく表現したもののことです。「スローガンとは何か?」と問われれば、それは組織の向かう先を示すキャッチコピーやキャッチフレーズであり、変革の道しるべとも言えるでしょう。

社名・ブランド名をただ伝えるよりも、インパクトのあるスローガンは印象に残りやすいです。

スローガンは従業員のやる気をアップさせるといった目的のほか、自社ブランドがどのようなメッセージを持ってサービス・商品を提供しているのか、あるいはどのような組織変革を目指しているのかを社外にアピールするツールとしても役立ちます。

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意識改革スローガンを設定するメリット

意識改革スローガンを設定することで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

意識改革 スローガン

メリット1:企業の認知度・ブランド価値を高める

スローガンが明確に定まっていると、それを聞いただけでどの企業のことかが理解できます。ブランドロゴと同じように、スローガンは企業認知度の向上に役立ち、企業価値を高められる点がメリットです。

たとえば「翼を授けるといえばレッドブル」というようにスローガンから企業が連想され、そのキャッチコピーから「エキサイティングな飲み物」など商品の価値について示すことができます。これは、企業が目指す変革の方向性を社外に伝える際にも応用できます。

メリット2:従業員のモチベーションと組織の一体感を向上させる

スローガンは従業員のモチベーションアップだけでなく、組織の一体感向上にもつながります。スローガンは企業のブランドイメージを表すだけでなく、企業理念や風土改革など会社の目指すべき方向性を端的に述べるため、組織統一を推し進めるために有効です。

従業員がスローガンを通じて会社に対する理解を深めることで、仕事を行う目的や業務上意識すべき項目などが明確になり、自分の役割を認識できます。その結果、自身の働きが会社・社会へ良い影響を及ぼすと感じ、モチベーション向上の効果が期待できるでしょう。

また従業員に会社の魅力を感じてもらえるため、会社のために貢献してくれる可能性が高まります。変革に向けた全社的な貢献が増すことで、生産性アップも目指せるかもしれません。

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意識改革スローガンの作り方

次に、心に響き、変革を促す意識改革スローガンを作る上でのポイントを解説します。

意識改革 スローガン

ポイント1:誰にでも響く「分かりやすさ」を追求する

スローガンはまず、さまざまな人に伝えることを考えた、キャッチーで理解しやすいものを設定しましょう。

スローガンは会社の顔として使用することになるため、企業のブランディングにもつながります。スローガンの意味が素晴らしいものでも、難しい言葉を使用した理解しづらいものでは、社内外の立場問わず心に残りません。そのため、受け手に寄り添った分かりやすい表現、万人に理解される文言を設定することが重要です。またフレーズから連想されるイメージの振れ幅が、大きくなりすぎないようにすることも大切です。

自社の従業員としてスローガンを考えると、事前知識からバイアスがかかってしまいます。そのためスローガンを考える際は顧客や、変革の対象となる従業員の視点になりきり、分かりやすい言葉か検討しましょう。

ポイント2:「誰に」「何を」伝えるかを明確にする

幅広い層に伝えることも重要ですが、顧客・地域住民・従業員・株主など、「誰に」「何を」伝えて心を動かしたいのか、そのターゲットとメッセージの核を考えることも大切です。

・従業員向けであれば「従業員のおかげで会社が成長できている」という感謝のメッセージや、「この変革を共に乗り越えよう」といった鼓舞するメッセージを示す。

・社外向けなら、サービスを活用するユーザー属性に合わせたフレーズや、「私たちはこのように変わります」という宣言を作る必要があります。

ターゲットをある程度絞ることでその層にリーチできるため、効果が出やすいです。

またターゲットを絞ったら、伝えたいテーマも合わせて設定しましょう。テーマの例として、顧客に対してであれば事業によって得られる未来・環境への優しさなど、従業員に対してはコンプライアンスを守る姿勢や、目指す組織風土などが挙げられます。

ポイント3:記憶に残る「キャッチーな言葉」を取り入れる

多くの人の記憶に残り、伝わりやすいスローガンには、フックとなるキーワードが含められていることが多いです。多くの人の頭に残りやすいフレーズを入れることができれば、スローガンの意識浸透にも役立ちます。

たとえばニトリの「お、ねだん以上。」は短く簡潔なスローガンのため、長文のスローガンに比べて覚えやすいです。また短文で覚えやすいだけでなく、高品質かつ購入しやすい金額帯であることも分かりやすく伝わるでしょう。口に出した際の響きなど、言葉のリズムも覚えやすさにつながっています。

このように、よく使う単語を用いて、誰でもすぐに覚えられるスローガンは浸透しやすいです。ブランドイメージや変革の方向性から離れず、どんな企業か伝えられるキャッチーな言葉を探してみましょう。

ポイント4:変革への「熱いメッセージ」を込める

内容だけでなく、特に変革を目指す上では、その実現に向けた熱い気持ちが込められたスローガンを作ることが重要です。スローガン設定によりどのような効果を狙い、どんなメッセージを伝えたいのか明確にしましょう。このとき企業理念・ブランディングと一貫した内容のフレーズでなければ、伝えるメッセージが曖昧になる可能性があります。メッセージ性を強めるためには、先に挙げたターゲット選定・分かりやすい表現がとても重要です。

スローガン設定時は企業として掲げている目標に対して最適なフレーズを複数挙げ、その中から最適なものをピックアップする必要があります。外部のコピーライターに依頼することも一つの方法ですが、企業として打ち出したい部分を固めてから依頼することが大切です。

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意識改革スローガンを作る際に注意すべきポイント

より良いスローガンにするために、作成時に注意すべきポイントを紹介します。

注意点1:「誰のため」かを見失わない

スローガンを決める際に自社の利益だけを考えていては、本来届けるべき「誰か」、つまりリーチしたい層に刺さらないこともあります。多くの人にとって興味のないスローガンになってしまうと、スローガンとしての効果は期待できません。

たとえば社員向けのスローガンを決めているのに、企業の成長・利益のことだけを考えていてもあまり刺さらないでしょう。「変革は皆のためになる」といった、従業員自身のメリットも感じられるような、ターゲットの立場に寄り添ったスローガンを決めましょう。

注意点2:「企業ブランド」との一貫性を保つ

ブランディングとかけ離れてしまうと、ブランドの魅力が薄まる可能性があります。そのため、ブランドの一貫性を持たせることも重要です。スローガンでも首尾一貫したブランディングを行うことで、独自性を生み出せます。

たとえば企業のイメージカラー・ロゴに合わせたスローガンのデザインや、メイン事業と関連した言葉選びをするなど意識しましょう。多くの人に長く愛されるかをじっくり検討しながら意識改革スローガンを決めるべきです。

注意点3:「企業理念」との整合性を重視する

意識改革スローガンはブランディングだけでなく、その根幹となる企業理念との整合性も大切です。斬新さを狙うことも重要ですが、企業理念とはまったく異なる内容では企業の価値を薄めてしまうことにもつながるため、あまり効果が期待できません。

スローガンはあくまで、企業の大切にする考え方や価値観を表す企業理念について簡潔に述べる、キャッチコピーのようなものです。特に風土変革を目指す際は、その変革が企業理念に基づいていることを示すことが、従業員の理解と共感を得るために不可欠です。企業理念と関連性を持たせた一貫性のあるスローガンの方が説得力は生まれ、高い効果を期待できます。

そのため企業理念との一貫性を意識した状態で、どのようなフレーズを作れば価値を最大化できるかを考えることが重要です。

意識改革スローガンを社内に浸透させる方法

作ったスローガンを形骸化させず、社内に意識浸透させるために効果的な方法を紹介します。

意識改革 社内浸透

方法1:対話を生む「コミュニケーション」を活性化する

スローガンの意識浸透には、一方的な発信だけでなく、従業員との対話を通じた協力が欠かせません。従業員にスローガンが浸透しなければ、経営陣・従業員が一体となって変革に向けて動いたり、社外に発信できないからです。

社内コミュニケーションが活発化していなければ、スローガンに期待している効果を得られません。社内行事を取り入れたり、コミュニケーションツールを導入したりしながら、コミュニケーションが円滑に進むよう取り組むことが重要です。対話を通じてスローガンの意味を深める場を設けましょう。

方法2:繰り返し触れる「社内広報」を活用する

多様な社内広報を取り入れ、繰り返しスローガンに触れる機会を作ることで、従業員に対して意識改革スローガンを共有できる可能性が高いです。社内報やWebサイトなどを活用し、いつでも閲覧できる状態にしておけば、従業員が気軽に閲覧しながら浸透していく効果を期待できます。

ただスローガンを目につきやすくするだけでなく、スローガンに込めた変革へのメッセージ・スローガンを設定したメンバーへのインタビュー・スローガンに対してよくある質問についてもコンテンツ化して発信すると興味を持たれやすいです。

方法3:日常に溶け込む「ルーティーン」に組み込む

意識せずとも触れられるよう、ルーティーンワークに、意識改革スローガンを入れることもおすすめです。日々行っているものの中に盛り込むことで、従業員間でスローガンを意識浸透させるスピードが格段に上がります。

ルーティーンワークからスローガンを覚えることで、日常的な業務・行動にスローガンを落とし込めるようになるでしょう。スローガンに基づいた行動が一人に浸透すると、他の社員も刺激され変革に向けた行動が見られるようになります。

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まとめ

この記事では、意識改革スローガンの概要やメリット、そして変革や風土改革を成功させるための作り方と意識浸透の方法について解説しました。

効果的な意識改革スローガンを設定することで、企業の認知度や従業員のモチベーションアップにつながり、組織変革の大きな力となります。スローガンとは何かを理解し、ポイントを押さえた作り方を実践し、継続的に意識浸透を図ることが成功の鍵です。

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