多くの企業で進む「褒める風土づくり」

「いい仕事ぶりだったね」
「○○さんのこういうところに助けられている」

社員同士で褒め合う組織風土の醸成に、多くの企業が動き出しています。社員のモチベーションを高めて、仕事でのパフォーマンスを引き出す試み。ここ数年で多くの企業がさまざまな取り組みや試みを行っています。

褒め合う文化を成功させ、形骸化を防ぐためには、「言行一致(パーパスと現場の行動が一致していること)」と「ベテラン層の巻き込み」が不可欠です。本記事では、その具体的な理由と成功のポイントを解説します。

例えば「グッジョブ・アクション」と称して、褒め合う風土づくりを推進する資生堂。社員が業務の中で気づいた“いいな”を「グッジョブカード」に書きとめ渡し合うという取り組みを日常的に行うANA。イントラネット上で誰かの“いいな”を褒め合う、ヤマト運輸の「満足BANK」の試みなど、大小さまざまな企業で、褒める風土づくりの取り組みが増えています。

弊社にご相談をいただく「インナーブランディング」の施策においても、「コミュニケーションの活性化と従業員エンゲージメントの強化」というテーマと関連して「褒め合う仕組み」に関する話題が多くなっていると感じます。

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「褒め合う仕組み」は働き方改革の鍵を握る?

こうした動きの背景にあるものは何か。ここをご覧の皆さまには容易にご想像いただけるとおり、「働き方改革」「ダイバーシティ化」「イノベーション推進」と密接に関わっているものと考えます。

良いと分かっているなら、すぐにでも「褒め合う仕組み」を取り入れたいと思ってしまいますが、まずは実際の現場がどのような状況かを理解しなければなりません。

褒め合う文化導入の真のターゲットは「若手」ではなく「ベテラン社員」

ある調査機関による結果では、年代・役職が上がるにつれて、自身の仕事に対してのやる気・情熱が下降傾向にあり、部下を褒めるという行動すらもやめてしまうというサラリーマンが多いようです。

褒めない上司の下では、部下たちもやる気・情熱が削がれてしまい、組織の流れはどんどん悪い方向へといってしまいます。組織の規模や状況にもよるかと思いますが、若手のモチベーションアップだけを目的とするのではなく、「褒め合う仕組み」を取り入れる際の真のターゲットは、組織のハブとなるベテラン社員や管理職に向けることも多くあります。

なぜ褒め合う文化が「気持ち悪い」「うざい」と思われ失敗してしまうのか?

一方で、他社の事例を真似てツールや制度だけを導入した結果、現場から「わざとらしくて気持ち悪い」「やらされ感があってうざい」と反発され、形骸化してしまうケースも少なくありません。こうした失敗には、主に3つの理由があります。

1. 「褒めること」自体が目的化・ノルマ化している

「月に最低◯回はサンクスカードを送ること」といった強制的なルールを設けると、心にもない表面的な言葉が飛び交うようになり、現場には「やらされ感」や「白々しさ」だけが残ってしまいます。

2. 会社の価値観(パーパス・MVV)と連動していない

単なる「仲良しクラブ」にならないためには、「何を褒めるべきか」の基準が必要です。いくら褒め合っても実際の評価に繋がらなければ、従業員の不満を招く原因になります。

3. 経営層や管理職が参加せず、現場に押し付けている

「若手同士で褒め合ってくれ」と、経営層や先述したベテラン社員が蚊帳の外にいるケースです。上層部が率先して行動を変えなければ、現場のシラケムードを払拭することはできません。

「褒め合う」。それは「認め合う」こと

小さな日々の仕事に気づき、褒めることは、相手のことをよく見ていなければできません。褒められた人が、周りから「いいことをしたね!」と称讃されることでモチベーションが上がることに加えて、褒めた人が、周りから「いい発見をしたね。よく見ているね」と認められる効果もあります。

ここで重要なのは、会社の行動指針(パーパス・MVV)と紐づけて褒めることです。「あのときの行動は、当社の行動指針である◯◯をまさに体現していたね」と称賛する仕組みを作ることで、企業が目指す方向性と個人の行動が一致し、本質的なインナーブランディングへとつながります。

つまり、「褒め合う」ことを通じて、周囲の人々に関心を持ち合う組織文化の醸成へとつながっていくことが期待されます。

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自発的な組織風土づくりはプロにご相談を(揚羽の取り組みも見学が可能です)

最後にちょっとだけ、弊社の「褒め合う」風土づくりの取り組みをご紹介。
弊社では、毎週月曜日の朝に30分間の『朝会』を行っているのですが、この朝会の冒頭1分間は「隣の席の人のいいところを褒める」ことから始まります。朝会の場で伝えきれない感謝の言葉は『THANKS CARD』に書き込んで、ボードに掲示しています。

この『朝会』や『THANKS CARD』は見学いただくことが可能です。実際の現場を見ていただくことで、自社に導入するヒントを得られるかもしれません

しかし、いざこうした風土を自社内だけでゼロから定着させるのは容易ではありません。「ツールを導入したが定着しない」「管理職の意識が変わらない」「形骸化を防ぐインナーブランディングの進め方を知りたい」といったお悩みがある人事・経営企画のご担当者様は、ぜひ一度揚羽にご相談ください。現状の課題分析から制度設計まで、本質的な組織風土改革をサポートいたします。

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