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理念浸透を成功させるポイントとは?インナーブランディングの観点から手順や方法を解説

理念浸透

理念浸透を行って社員に会社への理解を深めてもらいたいが、なかなか思うように情報が浸透しないために、効果が引き出せずにいる企業は多いです。そもそも理念浸透のやり方が合っているのかも分からないため、スローガンやパーパスを作成したのに、具体的な対策が思いつかずに困っているケースもあるでしょう。

 

そこで本記事では理念浸透の基本と、その具体的な流れやインナーブランディングを活用した方法を解説します。

 

理念浸透とは?

そもそも理念浸透の意味を正確に理解できていないと、適切に効果を引き出すことはできません。以下を参考に、理念浸透の基本を知ることからはじめましょう。

 

企業の将来像や価値観を社員と共有すること

理念浸透とは、企業が設定した将来像や価値観などを社員に伝えて、共有するのが基本です。企業の認識と社員の認識をすり合わせて、同じ方向に進んでいけるようにするのが理念浸透の役割となります。

 

また、社員が自社の掲げる理念を正確に理解し、その内容を事業に活かせる状態を目指すことも理念浸透のポイントです。

 

経営理念と企業理念とは?

理念浸透を行う際には、「経営理念」と「企業理念」の違いを理解することも重要です。経営理念とは、会社の事業における方向性や目標達成を明確にするための手段を指します。一方で企業理念とは、その企業の価値観や存在意義など、一貫して持ち続ける概念を意味します。

 

このように経営理念と企業理念には明確な違いがあるため、理念浸透の際には二つの要素を混同しないように注意しましょう。

 

理念浸透が企業や社員に与える影響

理念浸透は、企業や社員にさまざまな影響を与えます。以下では、理念浸透が与える具体的な影響について解説します。

 

組織として一貫性のある行動が取れる

理念浸透を行うことで、組織として一貫性のある行動を取れるようになります。理念浸透をきっかけに企業の方向性と社員の努力のベクトルが一致しやすくなるため、事業を前に進めやすくなるでしょう。

 

企業の目標と社員の行動が乖離する可能性も減るため、外部のユーザーや取引先に対して適切なアプローチが行えるようになります。

 

社員のモチベーション向上につながる

理念浸透はその企業で働く意義や目的を作るきっかけにもなるため、社員のモチベーション向上につながります。会社が何のために存在しているのか、どんな目標を達成するために動いているのかが明確にできれば、社員から理解を得やすくなるでしょう。

 

また、社員自身が何のために働くのか考えるきっかけにもなるため、成長の機会を与えられるのも理念浸透の特徴です。

 

社員に主体的な行動を促せる

理念浸透によって企業の方向性や考えが共有できていれば、社員はその目標達成のために主体的な行動を取りやすくなります。上司や担当者の意見を待たずに、その場で企業の理念に合った判断が下せるようになるため、事業スピードがアップするでしょう。

 

社員が自分で考えながら行動できる環境を作れる点も、理念浸透が与える影響の一つです。

 

理念浸透の手順

理念浸透を実施する際には、基本となる手順通りに進めることが重要です。以下では、理念浸透の手順について解説します。

 

企業が掲げる理念を明確に策定する

理念浸透を進める際には、まず企業として掲げる理念を明確にします。たとえば「自社が提供できる社会的な価値は何か」「企業として将来にどのようなビジョンを持つべきか」といった点を考え、言語化することが最初のステップです。

 

他社の内容を参考にすることもありますが、最終的な理念は自社オリジナルのものに落とし込むようにしましょう。また、理念策定の方法にはいくかパターンがありますので、以下に紹介します。

 

理念策定方法論/パターン1 経営者自身が策定する
理念策定は、会社の方向性を決める一大プロジェクトであるため、意思決定者が関わることが欠かせません。トップダウン型の企業であれば、経営者の思いをそのまま理念に反映する方法が考えられます。創業の理由や自社の存在意義などを自身の言葉で示すことで、他社にないオリジナリティあふれる理念を策定できます。ただし、社員から共感を得るには丁寧な説明が必要でしょう。

 

理念策定方法論/パターン2 経営層が集まって策定する
2つめは、経営者をはじめとする複数の経営陣が定期的に会議などを開催して理念を策定する方法です。自社が置かれている環境の分析や競合企業の傾向把握など、一般的に用いられる分析手法をもとに戦略を立てるケースが多いこともあり、ある程度定式化された結果になる傾向があります。その点を踏まえて、独自の理念を考え抜く必要があるでしょう。

 

理念策定方法論/パターン3 社員全員または有志を巻き込んでつくる
3つめは、全社員または社員から募った有志の議論によって理念を策定する方法です。社員たちが作成した提案内容を受けて、経営層が判断します。ボトムアップ型のアプローチは現場の生きた意見、多様な主張を尊重できるというメリットがある反面、かかわる人が多いため最終決定までに多くの時間を要する、責任者が不明瞭になりがちといったデメリットもあります。

 

理念策定方法論/パターン4 専門家を招いて経営層を含む社内メンバーでつくる
理念策定の支援を行う専門家や企業を招き、経営層や社員を集めたワークショップを定期開催するなどして理念をつくり上げていく方法もあります。この場合、専門家による自社にはない戦略、最新の戦略などによって深い分析や議論ができるとともに、社内の多様な意見を専門家が整理しながらプロジェクトを進めてくれるというメリットがあります。広く深い議論を効率的に行いたいという場合には、良い選択といえるでしょう。

 

いずれのパターンにおいても、理念策定のための会議のファシリテーションと、実際に言語化する場面では、外部の専門家を活用することが多くなっています。社内のみならず外部視点も取り入れることで、より納得感のある理念策定を行うことが出来ます。

 

理念を共有して社員からの共感を得る

最初に策定した理念を言語化したら、社員に共有をしましょう。社内報や社内ポータルサイトを活用して、理念の内容を繰り返し確認できる状態にすることで、全従業員が簡単に確認できるようになります。

 

また、共有して終わりではなく、しっかりと社員からの共感を得る必要があるため、その後の反応を確認することもポイントです。

 

社内全体の共通認識として定着させる

企業の理念やビジョンは繰り返し共有する機会を作り、「社内全体の共通認識」として定着させることが重要です。すべての社員が同じ方向を向き、同じ考え方の下で仕事ができるように環境を整備する必要があるでしょう。

 

一度きりの機会で理念浸透を成功させることは難しいため、何度も繰り返して少しずつ社内での認識を深めるのがポイントです。

 

理念に合わせた行動を習慣化する

社内に理念が浸透してきたら、内容に合わせた行動を社員に習慣化させる段階に移ります。たとえば具体的な企業のビジョンを営業のセールストークに取り入れたり、企業が持つ社会的価値を守れるような顧客対応を実行したりといったことが考えられるでしょう。

 

ただ企業理念を「知っている状態」から、「事業に活用できる状態」にステップアップするのがポイントです。

 

理念浸透 流れ

 

理念浸透を成功させるポイント

理念浸透を成功させるには、上記の手順を踏まえた上でいくつかのポイントを把握する必要があります。以下では、理念浸透を成功させるためのポイントについて解説します。

 

企業のトップ層が積極的に理念浸透を推し進める

理念浸透を行う際には、企業のトップ層による推進が重要なポイントになります。マネージャーやチームリーダーがいくら理念の重要性を説いても、すべての社員にその重要性を伝えることは難しいです。

 

だからこそ理念浸透には企業のトップ層が積極的に関わり、現場でアピールすることが求められます。

 

理念浸透に合わせて人事評価制度を見直す

理念浸透を進める際には、社員が共感しやすくなるような制度を整備するのもポイントです。特に人事評価制度と理念に合わせた行動が噛み合っていないと、社員は理念よりも自分の評価を高めることを優先してしまい、理念浸透が失敗する可能性が高まります。

 

社員がそれぞれの言葉で理念を理解できるように促す

社員がただ理念の内容を暗記しただけでは、理念浸透が成功したとは言えません。社員がそれぞれ自分の言葉で考え、自分なりの行動に移せるようになってはじめて成功したと判断できます。

 

理念浸透につながる行動を実行しやすくなるように、社員のキャリアプランと理念を結びつけるためのアドバイスを行ったり、理念について社員間で議論する時間を設けたりするのがポイントです。

 

また、継続施策を検討するために、定期的に理念の浸透度合いの効果検証を実施することも重要です。

 

理念浸透 ポイント

 

理念浸透を実行する際の注意点

理念浸透を実施する際には、いくつか注意点もあります。

 

理念への共有を強制しない

理念浸透を成功させようとして、社員に対して理念への理解・共有を強制することは避けましょう。理解を強要することは逆に企業への不信感や不満を抱く原因になり、最悪の場合には離職などのきっかけになってしまう可能性もあります。

 

理念に共感できない社員がいたら、その理由や原因を把握し、必要に応じて理念の内容を策定し直すことも検討すべきです。

 

「理念」に対する固定概念を捨てる

理念浸透を実施する際には、ときに「理念」に対する固定概念を捨てることも必要です。現代社会の変化に伴って、企業にとっての理念も変わってきています。そのため古い理念の浸透は、逆に社員のモチベーションや生産性を下げる可能性があるでしょう。

 

たとえば毎朝企業理念を社員全員で唱和するといった方法は、現代では通用しない可能性が高いです。理念への固定概念を捨て去り、SNSやWeb社内報を活用するといった現代風の方法で理念浸透を目指すのがおすすめです。

 

長期的な計画として進める

基本的に理念浸透には、多くの時間が必要です。すぐに成果が出ることは少ないため、長期的な計画として見積もることが重要となるでしょう。短期的に効果が出ないからといって失敗したと決めつけず、ある程度時間を置いて浸透度を測定するのがポイントです。

 

理念浸透におけるインナーブランディングの重要性

理念浸透を実施する際には、インナーブランディングへの理解も重要となります。以下では、理念浸透におけるインナーブランディングの重要性について解説します。

 

インナーブランディングとは?

インナーブランディングとは、「組織で働く従業員に、経営理念やブランドの価値を浸透させる活動」を指します。社員一人ひとりに対して企業の社会的価値を伝えられるため、理念浸透にも応用できるのが特徴です。

 

インナーブランディングを実行することで、ブランド価値と理念を効率良く浸透させられるでしょう。

 

インナーブランディングを実施するならブランディング会社への依頼も検討する

インナーブランディングは理念浸透の実施時に有効な方法である一方、ノウハウがないとスムーズに実行することが難しいです。そのため「ブランディング会社」に依頼して、自社の環境や理念に合わせたインナーブランディングを行うことも検討されます。

 

インナーブランディングの進め方をコンサルしてもらう場合や、自社に合わせて支援を行ってくれるブランディング会社を活用して、社内への理念浸透を効率化することも考えてみてはいかがでしょうか。

 
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まとめ

理念浸透は、企業と社員の間で将来のビジョンや価値観を共有し、事業に活かすためのプロセスです。理念浸透による効果を引き出せれば、普段の業務や社員の成長などに多くのメリットを見出せるでしょう。

 

そんな理念浸透を成功させるには、インナーブランディングの実施も重要なポイントです。株式会社 揚羽では、経営理念やブランド価値を社員が体現できる組織を作り上げる「インナーブランディング支援」を実施しています。理念浸透につながる組織環境を構築することができるので、ぜひこの機会に揚羽の支援内容をチェックしてみてください。

 

■揚羽のインナーブランディング支援
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制作ディレクター

日向進

人材採用関連の各種ツール、企業運営にかかわるコンテンツ、サービスの設計・制作を行うディレクター。前職は出版・広告系で、企業や著名人などさまざまな取材も行ってきました。

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