企業サイトの成果を高めるには、アクセス数の把握だけでなく、コンバージョン(CV)の設定と分析が欠かせません。Googleアナリティクス(GA4)を適切に活用することで、データに基づいた改善策が見えてきて、ビジネス拡大への道筋を描けるようになります。

企業サイトにおいて「Googleアナリティクス」活用は必須

7割近くの企業サイトで、導入されていると言われるGoogleアナリティクス(GA4)。アクセス解析ツールのデファクトスタンダードであることは、間違いないでしょう。無料で使えるということもあり、大企業はもとより、スタートアップや中小企業でも、導入済みの場合が多いのではないでしょうか。

Googleアナリティクス(GA4)を導入する目的の1つは、サイトへのアクセス状況を定量的に把握することです。「検索エンジン経由の自然検索(Organic Search)流入がどれくらいあるのか」といったサイトへの集客状況や、「どのカテゴリーやページがよく見られているのか」というコンテンツの閲覧状況などが、数値で見える化されることで、サイト改善やWebマーケティングの施策検討にあたり基礎的なデータとなります。

しかし、サイトへの訪問(セッション)数やページビュー(PV)といったアクセス数だけを見ていると、企業活動にとって本当に重要な“成果”が把握できないという落とし穴に陥りがちです。そこで欠かせないのが「コンバージョン(CV)」の設定。とは言え、Googleアナリティクス(GA4)を導入している企業において、かなり高い確率で設定されていないのが実情だと思います。

ここで少し余談になりますが、Googleアナリティクス(GA4)の「コンバージョン」は、2024年3月から「キーイベント」という名称に変更されています。ですから、正確な表現は「キーイベントの設定」になります。ただ、現状ではまだまだコンバージョン(CV)という言葉に馴染みのある方が多いと思いますので、本稿ではコンバージョン(CV)のままで表現していきます。

設定しないのは「目をつむって走っている」のと同じ

さて、ここで改めてコンバージョン(CV)とは何かについて、説明したいと思います。コンバージョン(CV)とは、ユーザーがサイト上で起こす「目標達成の行動」を意味します。例えば、次のようなアクションを、コンバージョン(CV)に設定するのが一般的です。

  • お問い合わせフォームの送信
  • 資料請求やホワイトペーパーのダウンロード
  • メールマガジンや会員の登録
  • イベントやセミナーへの申し込み

サイト運営者にとって、「訪問したユーザーが、この行動が取ってくれるとビジネスに貢献する」と考えるポイントを計測対象にするのが、コンバージョン(CV)設定です。逆に、コンバージョン(CV)を設定していなければ、Googleアナリティクス(GA4)でアクセス状況を見ていても、「アクセス数が多い/少ない」というような、表面的な分析しかできないでしょう。

仮に月間10万の訪問(セッション)数を集めているサイトがあったとしても、そのうち何名が問い合わせに至ったのか分からなければ、集客施策がビジネスの成果につながっているのか判断できません。いくら訪問(セッション)数が多くても成果がゼロなら意味がなく、逆に訪問(セッション)数が少なくても高確率でコンバージョン(CV)を記録しているなら、そのページや流入経路は非常にビジネス的に価値が高いと評価できます。

つまり、コンバージョン(CV)設定をしない状態は、企業サイトのどんな施策やページ、コンテンツが、売上や契約獲得といったビジネス拡大に効いているのか分からないまま、いわば「目をつむって走っている」のと同じなのです。

ユーザーの行動ごとに、明確に分けて分析する

今までは、コンバージョン(CV)を設定していなかったからと、急いでGoogleアナリティクス(GA4)上で設定し、計測を開始するだけでは、もちろん十分ではありません。コンバージョン(CV)を計測し始めたら、1カ月程度はデータを溜めて、そのデータに基づいた分析をすることが欠かせません。

コンバージョン(CV)のデータが十分に溜まった段階で、ぜひ実施してほしい分析は、“コンバージョン(CV)ユーザー”と“非コンバージョン(CV)ユーザー”とに分けて(ユーザーをグループ化することを「セグメント」と言ったりします)、ユーザー行動(ページ閲覧)の傾向を検証すること。重要なのは、サイト上の行動が違うユーザーを明確に分けて、それぞれを比較して分析する点です。

実際に分析してみると、コンバージョン(CV)しないユーザーはそれほど閲覧しないけれど、資料をダウンロードするユーザーがよく閲覧するブログ記事が見つかる場合があります。そうすると、Googleなどからの自然検索流入が増えるように、該当記事の内容を拡充したり、ダイレクトな集客施策としてリスティング広告やSNS広告の出稿を検討したりと、集客強化を図ります。

また、問い合わせユーザーを分析してみると、これもコンバージョン(CV)しなかったユーザーと違って、導入事例コンテンツや会社概要ページをよく見る傾向が表れる場合もあります。これらのページは、問い合わせを後押しするコンテンツになっていると考えられるので、導入事例コンテンツの数を増やしたり、会社概要もより詳しくしたり、自社のアピールを強めたりといった改善施策が考えられます。

これらの分析結果は、あくまで例ではありますが、コンバージョン(CV)を設定、計測することで、企業サイトとしてビジネス拡大を促進するために、どのようなマーケティング施策やサイト改善を行うべきかが、これまでより解像度が高く見えてくるはずです。

「ユーザーエクスプローラ」で、サイト上の“足あと”を追う

さらにおススメしたいのが、Googleアナリティクス(GA4)の「探索(データ探索)」にある「ユーザーエクスプローラ」の活用です。ユーザーエクスプローラとは、「個々のユーザーが、どの経路からそのサイトに流入し、どのページを閲覧したのかという行動履歴を時系列で示す一覧」です。特定ユーザーのサイト上の“足あと”を追える機能と言えばわかりやすいでしょうか。

正直、とても手間のかかる作業ではあるのですが、問い合わせをしたユーザーに対して、ユーザーエクスプローラを利用して、問い合わせに至るまでの行動履歴をつぶさに評価、分析します。この「ミクロ解析」をする際、注意するのは、あくまでそのユーザーに成りかわり、ユーザーの気分になって検証することです。

そうすると、「閲覧したいと思っているコンテンツが見つからず、困っているのではないか」「コンバージョン(CV)に貢献していると思っていたページが、読み飛ばされているようだ」など、さまざまな気づきがあります。こうして気づいたことを踏まえ、よりコンバージョン(CV)しやすいサイトに改善施策を講じやすくなるでしょう。

設定や分析でつまずく前に、専門家の活用も検討

一方、Googleアナリティクス(GA4)でコンバージョン(CV)を設定しようとすると、多くの企業がつまずきやすいポイントも存在します。それは「間違った設定」と「分析力の不足」です。どのアクションをコンバージョン(CV)設定するかを誤ると、本来評価すべきだった成果を捉えられず、計測数値に翻弄されるだけになってしまいます。

また、Googleアナリティクス(GA4)を使って適切に分析、レポーティングするには、一定のスキルや経験が必要です。仮にITが得意な人材であったとしても、分析が未経験だとすると、良質なレポートはなかなか上がってきません。そうした際は、外部の専門家、アナリストを活用するといったことも選択肢の一つになると思います。

当社は、デジタルマーケティング支援のサービスも展開しています。Googleアナリティクス(GA4)のアクセス情報などから、Webサイトを詳細に解析し、改善案を提案した「サイト解析《サンプル資料》」もありますので、ご覧になりたい方は、下記よりダウンロードしてください。

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