武田 雅子 様

本制作における課題は?

1951年に小売業として創業。1980年代に金融業(クレジット事業)として業態を大きく転換し、クレディセゾンは成長を続けてきました。他社に先駆けた独自性の高いサービスを次々と開発し、取扱高も業界トップクラスとなり、現在、フルタイムで働く社員数は4500名を超えました。しかし近年、ビジネスフィールドの成熟という外的要因から、飛び抜けたサービスが生まれにくくなっていることに加え、社員の増加や細分化された部門・チーム体制によって、これまでの“クレディセゾンらしさ”が薄れていっているという課題感は、社内で徐々に大きくなっていました。そこで、2012年。クレジット事業に参入して30周年というこの節目に、残すべきところは残し、変える必要があれば変えつつも、【“クレディセゾンらしさ”を、全社員の前で「見える化」する機会を創ろう!】という思いを胸に、全社表彰式の事務局である私たち人事部と全社横断のプロジェクトメンバーが集まりました。

辿りついた課題解決策は?

“クレディセゾンらしさ”を、全社員の前で「見える化」する機会。それまで部門ごとに分かれた表彰式はありましたが、 「全社表彰式」はクレディセゾンにとって初めてのイベント。コンセプトは“創”と決め、創業当時から先人たちが大切にしてきた会社のDNAや歴史を振り返ると共に、次の30年に向けて私たちは何を創りだしていくのか、社員一人ひとりがクレディセゾンの未来を自分事として考えて、持ち帰ってもらうというイベントのストーリーを考えました。そのためにまず必要なのは、昔の人は頑張っていた、という懐古的なメッセージでなく、過去から今に脈々と繋がる想いを歴史から抽出した式典オープニング映像。そしてなにより、現在の社員からプレゼンテーションされる“クレディセゾンらしい”仕事の「素晴らしい成果やそれに至るプロセス」の表彰でした。重要となる式典オープニング映像をどの制作会社に頼むか、メンバーから相談を受けた私は、以前、弊社の採用向けツール制作をお願いして、妥協しない取り組み姿勢とアウトプットを見せてくれた揚羽さんを紹介しました。早速揚羽の制作メンバーの方々と共に、イベントの目的とストーリーを共有し、一緒にブレストを開始しました。プロジェクトメンバーとの打ち合わせを繰り返す中で、揚羽さんは私たちの想いを汲み取った上で、映像の具体的なアイデアを持ち寄ってくれましたね。私たち事務局と同じ目線で、私たちのすぐ横で一緒に社員に思いを馳せながら、仕事を進めてくれましたし、「もうこれ以上できません」みたいなことは一切言わず、クリエイティブに妥協しない姿勢に改めての信頼を感じました。私の気持ちをわかってくれる部下のように思う瞬間もありましたね(笑)。また、式典映像だけでなく、「全社表彰式」のロゴになったデザイン化された“創”(※図)のモチーフも考案頂き、期待以上の作品を仕上げてくれたと思っています。

制作を振り返ってのご感想は?

2012年7月25日。「クレディセゾン表彰式2012」は開催されました。全国のショップマスターをはじめ、全社から総勢382名の参加があり、4時間超のイベントは大盛況のうちに幕を閉じました。参加者のアンケートのコメントの中に、「会社の全体像や方向性の理解ができた」「日々の業務に捉われるのではなく、広い視野で考えることの大切さを実感した」「支店やショップの情熱と意識の高さを、自部門でも実現させたいと感じた」など、狙った通り“クレディセゾンらしい”仕事や取り組みを見て、自分事としてイベントから持ち帰った社員の声が多く集まりました。また、これまで離れていた部門の仕事を知ったことで、日々の仕事で繋がりを意識して働くようになったという声を社内で実際に聞くこともあり、未来に向かうこれからのクレディセゾンにとって大きな成果を残したと考えています。また、弊社事務局のメンバーも、「プロの方々と一緒に、本気の仕事をさせてもらえた」ということは、貴重な経験となったのではないでしょうか?本当に感謝をしております。