プロジェクトの背景

海運は世界の貿易の90%、さらに日本の貿易の99.6%を支える重要なビジネスでありながら、その認知度が低いことに課題があります。特に若年層の認知度には大きな課題があり、日本人の船乗りは不足状態。同協会も、メンバーである各社様も、様々な施策に取り組んでいらっしゃいます。海運業界のお客様への多数の実績と、海運業界の魅力をこどもたちに伝える映像『DEAR FUTURE 自動車船乗船体験プログラム /BEYOND THE DREAM 夢の舞台へ』(詳細はこちら:https://www.ageha.tv/renewal/works/jsa/)の制作に携わらせていただいた際のクリエイティブに対するご評価により、今回メディア向け説明資料の制作にもお声がけいただきました。

プロジェクトの背景

プランニング

最終的なゴールを「海運業界の目指すゴールを一般の人々が認知する」と設定し、「記者が記事を通して正しい情報を発信し、メディアによって海運業界を正しく理解させる」ことを目指し、プロジェクトの位置付けを「記者の理解を目的とした広報活動のファーストステップ」と定義しました。「正しく、重要なこととして伝える」ためには、記者からビジネスパーソンへの広がりは理想的とも言えます。また、このプロジェクトと並行して、国際海事機関(IMO)の会議は進行中。刻々と情報が変わる中、明確に表現することをはばかる傾向がありましたが、揚羽は世の中の情勢を踏まえ、方針を強く明言すべきと提案しました。

資料の構成は、「海運とGHG排出・国際海運におけるGHG削減対策の枠組み・ネットゼロに挑む日本の海運業界の取り組み・ネットゼロに不可欠な関係業界との協働・内航海運におけるGHG削減対策・海運の挑戦は続く」となっており、海運の全体像からGHG削減対策への落とし込み、共同研究など話題になりやすいテーマまでを一貫性を持って情報整理した点がポイントです。一般のビジネスパーソンが理解し得る情報はどこまでのレイヤーなのか、記者に知らせるべき情報はどの程度詳細にすればいいのかを精緻化をしていくことで、情報を集約していきました。

タイムリーに変化する情勢のなか、同協会にとっても、資料制作におけるブラッシュアップは緊張感のあるものだったかと思いますが、プロジェクト進行についても信頼関係を築くことができ、ご評価につながっております。

アウトプット

情報量が多い資料となることが予想されたため、記者の方の用途に合わせ、ボリュームを調整したサマリー版と詳細版の2種類の資料を作成しました。起承転結かつ結論から述べる構成にしたことで、短時間で概要を把握できる工夫が凝らされています。さらに、海運業界の取り巻く状況を図解でわかりやすく表現することで、記事を書く際に体系的に理解できている状態を目指しました。また、記者の方の使いやすさを重視し、情報一覧性が高く、記者レクなどでも手元資料として印刷が容易なデザインに仕上げました。

アウトプット
アウトプット
アウトプット
アウトプット
アウトプット

今後の展望

「2050年GHGネットゼロへの挑戦」はまだ緒に就いたばかりで長期目線で取り組まなければならない課題です。多様なステークホルダーの方々や国民の皆様に日本の海運業界の取り組みについてご理解いただくため、環境問題を巡る情勢の変化を見極めつつ、今後も広報活動を展開する予定としています。