あえて言語化してこなかった「企業らしさ」を
抜本的な企業変革のタイミングで言語化したプロジェクト。
「ニコニコ動画」やゲーム・モバイルコンテンツなど、ネットでエンターテイメントコンテンツを発信し続けている企業、株式会社ドワンゴ。同社ではYoutubeの台頭などによる競争環境の激化や、経営者交代等があり、抜本的な企業変革を迫られている状況でした。
同社では創業以来、経営理念やVISIONなどを定義した歴史がありませんでした。しかし、創業者が牽引してきたフェーズから脱却するため、同社らしさを言語化する「言語化プロジェクト」が立ち上がりました。
「ドワンゴらしさ」を調べていくと、「自由」「多様性」という言葉が真っ先に出てきたものの、同社にとっての「自由」が具体的に何を示すのかがわからない状態でした。そこで、誰もが納得する「らしさ」を導き出すため、さまざまな手法で情報収集を行うことに。まずは、創業者の著書や社内資料、ブログ記事などを全て読む事でルーツの理解を図りました。その上で社長や役員陣をはじめとする、51名へのデプスインタビュー(一人1時間)、全社アンケート、合計47名との5日間のワークショップを行い、未来へ向かう上で受け継ぐべきもの、必要なものを抽出。これらの情報を集約し、①共通して目指す世界観 ②未来に向かう上で指針となる価値観 の2つを言語化させていただきました。
さらに、言語化した言葉をオンリーワンの「物語」で伝えるためには、どのように全社に伝えるべきか、何度もディスカッションを重ねました。同社らしく、「エンタメ性を持って」「読み手の視点で解釈し、それぞれの言葉で表現してもらえるように」することが望ましいと考え、物語仕立ての絵本形式で言葉を伝えることに。クラフト感・アナログな手触り感のある紙を使用し、絵本らしさを演出。普遍的な「ドワンゴらしさ」として、何年残っても古びない、伝えたい人に伝えたいことが伝わるように、デザインはシンプルに削ぎ落としました。最終ページには同社のコアバリューが記載されており、 一人でも多くの社員が読み切りたくなるような構成・デザインとしました。
OUTLINE
プロジェクトのポイント
・ドワンゴ様らしさを言語化するために、社長や役員陣をはじめとする51名インタビュー、全社アンケート、47名との5日間のワークショップを行い、また言語化に至るまでのロジックをまとめた79ページにわたる資料を作成した。
・言語化した言葉を、ドワンゴ様らしく「エンタメ性を持って」「読み手の視点で解釈し、それぞれの言葉で表現してもらえるように」、同社のこれまでとこれからをモチーフにしたシンプルなストーリーの絵本にした。
・一瞬のインパクトを持つものではなく、普遍的な「ドワンゴらしさ」として何年も残り続けるものになるよう、デザインはあえてシンプルに。
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