揚羽 ブルースクレイ・ジャパン 支援実績

写真左から:
ブルースクレイ・ジャパン株式会社 メディアセールスDept. マネージャー 村田 祥吾さま
ブルースクレイ・ジャパン株式会社 アドミニストレーションDept. 上野 沙織さま
株式会社揚羽 代表取締役社長 湊 剛宏
※2024年3月取材当時

【ご依頼前の背景】

  • 経営の声が現場に十分に届いておらず、意思疎通に課題を感じていた。経営の考えを現場目線で伝え、組織風土を改善したい

プロジェクトの背景・ご支援のきっかけ

― 弊社の湊にお声がけいただいたことがきっかけだったのですよね。ご相談いただいた背景を伺えますでしょうか。

村田さま
2022年頃、弊社では経営陣と現場メンバーの間の考えに距離感があり、一体感に欠ける状況が続いていました。正直、雰囲気が良いとは言えない状態でした。
私も含め、当時入社5〜6年目の社員はある程度会社への理解がありましたが、理解しているからこそ「もう少し上手くギャップを埋めることができるのでは」という気持ちもあり、プロジェクトの立ち上げを提言したのが始まりです。プロジェクトスタートは2022年末頃でした。


ちょうどその頃、長年付き合いのある貴社のオーナーの方から、そういった状況を変えたいと個人的に相談をいただきました。最初は「カルチャーブック」をつくりたい、というお話でしたよね。

村田さま
そうなんです。経営陣の言葉を現場メンバーの言葉に言い換えて、行動指針としてうまく伝えられたら良いのではないかという話から、カルチャーブックをつくりたいという話があがりました。
最初は自分たちでつくろうと考えていたので、他社さまの例を集めてコンテンツを研究し、誰にどうインタビューすればいいか検討し、ラフ案をつくるところまで進みました。

ブルースクレイ・ジャパン 支援 インタビュー

上野さま
ですがそこから、足踏み状況が続いてしまいました。
結局、全部自社でできるイメージが沸かず、オーナー経由で揚羽さんを紹介いただき、そこからは話がどんどん進んでいきました。

村田さま
揚羽さんには、「フォーマットではなく弊社らしいものを」、そして、「今ある文化だけでなくその先の目指したい文化を掲げる」という部分でお任せできると思い、依頼させていただきました。
湊さんから、策定して終わりでなく浸透活動が何よりも大切、とお話いただいたのも印象的でした。


カルチャーブックをつくるのはとても良いですが、「策定は1割で、浸透が9割です」とお伝えさせていただきました。

上野さま
何度もご助言いただきました(笑)。
浸透の部分はまだこれからというフェーズですが、まずは策定するまで時間がかかっていたので、とにかくカルチャーブックを早く完成させたい思いでした。


カルチャーブックがほぼ完成というタイミングで上野さまが喜ばれているときに、「策定は1割で、浸透が9割ですよ」とお伝えした時のリアクションが忘れられません(笑)。
本当に達成感がありますよね。でも本質的なところでいうとそこからが重要なのですよね。

揚羽 インナーブランディング 支援 インタビュー

村田さま
それだけ言っていただいたので、完成した時に気持ちを100%に持っていかなくてよかったです。

行動指針策定のプロセス

ー カルチャーブック完成まで、どのようなプロセスで進んでいったのでしょうか。

上野さま
まず、揚羽さんの行動指針を拝見し、とてもイメージが沸きました。各行動指針の解説文、理想的な行動、好ましくない行動が定義されていました。

村田さま
揚羽さんの行動指針も参考にして、まずは解説文を策定しました。経営陣が基となる文章はつくっていたのですが、それをメンバーに伝わりやすい言葉に変換する工程です。
各項目の定義についてインタビューをし、気になる言葉を上野さんを中心に要約、変換して、表現を検討していきました。

上野さま
そうですね。解説文が決まって、各項目の具体的な行動例を定義しました。ちょうど弊社で「KITAKOE(期待を超える)」「KITAIKA(期待以下)」という言葉が出始めた時期だったので、理想的な行動を「KITAKOE」、好ましくない行動を「KITAIKA」としました。
ここでは全社員にアンケートをとり、具体的な行動の案を募りました。また、ここからはプロジェクトメンバーを増やし、計8名で議論していきました。

ブルースクレイ・ジャパン インナーブランディング カルチャーブック

村田さま
プロジェクトメンバーは、全社アンケートの際に希望をとり、背景や想いをしっかり説明したうえで共感するという社員に入ってもらう流れで決定しました。偶然ですが、年次や部署はちょうど多様な構成となりました。

上野さま
行動のアイデアも集まり、最後は弊社の制作チームにデザインをしてもらいました。
デザインの検討でも、全社アンケートで「色のイメージ」「海・山ならどっちか」「会社のイメージ」など意見をもらい、大体の方向性を検討しました。

村田さま
会社のイメージカラーがブルーということでブルーを基調としています。
イラストがいいのか、写真がいいのか、という議論もしながらパターンを出してもらい進めました。

ブルースクレイ・ジャパン カルチャーブック 行動指針
ブルースクレイ・ジャパン カルチャーブック KITAKOE

ー カルチャーブックが完成し、何か反響はありましたか。

村田さま
2024年1月の全社キックオフでリリースとなりました。当日は、手元でカルチャーブックを見てもらいながら、策定の背景、今後の浸透施策の説明と協力のお願いを伝えました。
全社会の場で直接感想を聞けた訳ではないですが、現在集計中のアンケートでは『良い施策なのでどんどん続けてください』というような声があがっています。

ブルースクレイ・ジャパン 行動指針 プロジェクト

上野さま
『KITAKOE、KITAIKAとして皆で基準を持って、お互いの姿勢や行動を褒め合えるところがとても良いと思った』という声もありましたね。

浸透活動

ー リリースされてからまだ日が浅いですが、既に浸透施策を実施されていると伺いました。取り組みをお聞かせください。

上野さま
弊社では、毎日全社員参加の朝礼を実施しています。朝礼のなかに「ミッションスピーチ」というコンテンツがあり、これまでも、毎回1人が3分程で弊社のミッションに基づいて自身のビジネス経験をテーマにスピーチを行っていました。そこに「行動指針スピーチ」も加え、「ミッションスピーチ」と交互に週2回ずつ実施しています。また、リリース直後の2月は「浸透強化月間」とし、行動指針スピーチを週4回実施しました。
「行動指針スピーチ」のやり方は揚羽さんの朝会を参考にさせていただきました。毎回社員を2人ピックアップして、読み上げを行ったうえで、その2人に行動指針に関しての考えやエピソードを発表してもらいます。
最初は勝手がわからないので、私と村田さんとプロジェクトメンバーで回していき、2週目くらいからMGR層に、その後、全社員対象であいうえお順で実施していきました。


発表が全員に回ってくるように設計されているのですね。
あとは2名の発表の後、全社員から感想をもらっているのですよね?

上野さま
はい。浸透施策を検討する中で、湊さんから「チャットグループを立ち上げて意見をもらう」というアイデアをいただき、実践しています。
当時は本当に社員に協力してもらえるのか不安がありましたが、結果的に今はすごく上手くいっています。

ブルースクレイ・ジャパン 行動指針浸透 チャット

上野さま
9時半から朝礼、行動指針スピーチがあって、朝礼が終わった後それぞれの社員のタイミングでチャットに投稿するという流れです。大体直後のスピーチの内容を聞いて思ったことを投稿する方が多いですね。なるべくハードルを低くしたかったので、一言でもいいので、と伝えています。


これはうれしいですよね!
このようにインプットだけでなくアウトプットをする、というのが大切なのですよね。これが続いているのであれば、浸透しますし、繰り返すことで、段々と文化になっていきます。

村田さま
マネージャーからは、メンバーの投稿を見て、メンバーが実は意外な考えを持っていたり、具体的にこうしたいというビジョンがあったり、この取り組みがコミュニケーションのきっかけになっているという声もありました。


そうですよね。これだけの人数がいると、誰がどんなことを思っているか知るきっかけが少ないので、こういった機会で人となりを知れてコミュニケーションが活性化しますよね。

上野さま
賛同のリアクションがあつまる投稿もあって、この会社ではこういう考えの人が多いのか、なども見えてきますね。

ブルースクレイ・ジャパン 対談

村田さま
この朝礼の取り組みがなければ、つくって終わり、後は見ておいてくださいね、という事になっていたかもしれません。社員を巻きこむプロセスが大変ですが、いかに重要なのかを身をもって感じました。

ー プロジェクトを振り返ってみて、いかがでしたでしょうか。

上野さま
全社を巻き込むプロジェクトとなったので、調整など大変なこともありました。ですが、揚羽さんから定期的に進捗を聞いていただけて、「進めなきゃ!」という気持ちになれたのでここまでこれたと思います。自社だけだとうまく進まなかったなと。

村田さま
社内だけだと、予想外な場面や悩んだときに相談できる人が社内にいなかったなと思います。どっちに進むべきかの判断が私たちだけではできなかったので、揚羽さんには「こういきましょう!」とリードいただきスムーズに進行できたと感じています。そのおかげで、目標通り年内に完成でき、ほっとしています。

今後の展望

ー 浸透はまだこれから、というタイミングかと思いますが、展望などありましたら教えてください。

上野さま
カルチャーブックは実は、まだ空欄になっている部分もある状態で第一弾としてリリースしたため、アップデートしていかなきゃという空気があります。
アップデートにはより多くの社員を巻き込めればと思っていて、現在、さらに新しいメンバーを招集して、カルチャーブックアップデートチームとして動こうとしているところです。策定に携わったメンバーは、インナーブランディングのプロジェクトチームとなり、より広い視野で施策を検討しています。
最初、カルチャーブックはしっかりつくり込まれたものをイメージしていましたが、湊さんから「どんどんアップデートをかけられる方が良い」と聞いた時は目から鱗でした。今思うと、当初自社で考えていたままだとつくって終わりになっていたかもしれません。

村田さま
そうですね。策定中はコンテンツの内容やボリュームは本当にこれでいいのか、少ないのではないかと思うこともありましたが、今は良かったと思っています。
弊社メンバーのみで検討していたころは、社長インタビューや社員インタビューなどを考えていましたが、ボリュームが多すぎて、浸透段階で障壁になっていたかもなと思います。一旦これでリリースしてよかったなと。


インタビューは冊子として、記念に残したいような場面では良いですが、今回は浸透ツールなので会社とともに進化していくべきだと思います。

揚羽 ブルースクレイ・ジャパン インタビュー

村田さま
年間を通して、今後はいろいろな方にアップデートに関わってもらいたいと思っています。最終的には全社員が一周するくらいに改善を重ねていきたいですね。
今はまだ、行動例も具体的ではないのですが、現在社員アンケートでエピソードを募っているので、うちのカルチャーだよねという部分がもっと色濃く出てくると思います。この1年でどう変わるのかはとても楽しみです。

上野さま
直近だと、新卒社員が入ってくるので入社式のときにカルチャーブックを使って自己紹介をしてもらいたいと思っています。また、キャリア採用の方にも入社前に必ず共有し、方針がマッチするかの最終決断の要素としてもらっています。

村田さま
今後はもう少し広域のインナーブランディングにも注力していく予定なので、ぜひ引き続きお力添えいただきたいです。


ぜひいつでもお声がけください。弊社社内での取り組みも日々改善していきますので、ぜひ一緒に頑張りましょう。
本日はありがとうございました。

弊社はブランド共創パートナーとして、理念・行動指針の策定から浸透活動まで一気通貫で伴走いたします。ぜひお気軽にご相談ください。