伊藤忠丸紅鉄鋼 揚羽 支援実績

写真左から:
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社 経営戦略・人総本部 人事総務部 人事企画チーム長 (兼)人材開発チーム長 山林 泰規さま
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社 経営企画部 サステナビリティ推進チーム 齋藤 未央さま
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社 経営企画部長代行 兼 市場総括チーム長 木村 信一さま
株式会社揚羽 ブランドマーケティング第1部 ブランドマーケティング4グループ 赤池 知優
株式会社揚羽 ブランドコンサルティング部 ブランドコンサルティンググループ 佐藤 考良
※2024年1月取材当時

浸透プロジェクト始動の背景

― ブランドスローガン「鉄を商う。未来を担う。」をはじめ、ビジョン・ミッション・バリューと行動指針である「MISI FRONTIER SPIRITS」を策定した理念策定フェーズ。ここからは、理念浸透フェーズ「企業理念をみんなで共感し合うプロジェクト」がスタートし、タスクフォースメンバーが変更となったのですね。

齋藤さま
はい。2021年4月の浸透プロジェクト開始時からメンバーが変更となり、私も参加することになりました。メンバー数は以前と変わらず10名、そのうち8名が新メンバーでした。

佐藤
そうですね。そのため、新しく参加された方々に向け、まずは理念体系の解説や策定フェーズのメンバーの想い、マインドの共有をすることから始めました。

― ちなみにお二方は当時、新しく策定された理念体系についてどのような感想をお持ちでしたか?

齋藤さま
私は最初、ブランドスローガンに「鉄」が入っていることに違和感がありました。鉄にとらわれずに未来を形成したいと思っていたので。ただ、研修を通してブランドスローガンを理解していくと、コアなコンピタンスが鉄であって、それを起点にさまざまな事業をやっていくことはビジョン、ミッション、バリューで表現されているとわかり、腹落ちしました。最終的には、とても納得度が増しました。

伊藤忠丸紅鉄鋼 理念浸透プロジェクト

木村さま
ブランドスローガンはとてもかっこいいなと思いました。ですが、ビジョン・ミッション・バリューに関して、内容はとても良いと思う一方で、長いように感じて、どこまで社員が覚えて行動に移せるだろうか?と少し懐疑的でした。

山林さま
発表したあとに今の社員の状況を把握するために、認知、理解、共感、行動でアンケ―トをとりました。「MISI FRONTIER SPIRITS」に対する認知、理解、共感度は皆さんとても高かった。皆さんの過去経験から出してきたワーディングだったので、すごく腹落ちしたという声が特に多かったのだと思います。
一方で、どうしてもビジョン、ミッション、バリューについては、未来のことなので、言葉はわかるけどその具体的なイメージが湧きづらかったのかもしれません。

佐藤
だからこそ、言葉を「認知」させ、正しい「理解」を促し、「共感」を生み、「行動」を日常化させるという浸透のステップが欠かせません。

― 改めて理念浸透施策での揚羽の役割はどのようなものだったのでしょうか?

佐藤
理念策定のプロジェクトが始まった時点で、理念浸透まで支援をさせていただくことになっていました。ずっと弊社が支援し続けるのではなく、MISIのメンバーで自走できるよう、理念浸透の考え方やフレームワークなどの研修をさせていただきました。現在は、浸透活動はMISIさまで自走されていますが、コミュニケーションツールの制作などは継続して弊社が支援させていただいています。

揚羽 インナーブランディング 支援

浸透活動のプロセス〈フェーズ1〉

― 理念浸透プロジェクトがどのように進んでいったのか、改めてお聞かせください。

佐藤
まず準備フェーズとして、理念体系のポスター制作。その後、フェーズ1として理念浸透に関する研修と、施策の検討を行いました。そして、フェーズ2として初年度の浸透施策を実施。ここまでを弊社がサポートしました。
浸透活動2年目からはフェーズ3として、タスクフォースメンバーの皆さんのみで施策を実施いただいています。

― 準備フェーズの具体的な内容を教えてください。

佐藤
社内認知のファーストステップとしてポスター制作から始めました。ブランドスローガンをビジュアル化し、社員の皆さまに存在を知ってもらうというものです。先程もお話したように、ポスター作成を通して、新たにタスクフォースメンバーとして参加された皆さまに、新しい理念体系への理解を深めてもらうフェーズとしました。

齋藤さま
揚羽さんには、ポスターの企画からデザイン、印刷まで関わっていただきました。
実際に、カタチにするという行動を通して、自分の中で理念の理解度がぐっと上がりました。

伊藤忠丸紅鉄鋼 理念 ポスター

佐藤
理念体系の理解をしてもらうのが、準備フェーズの目的でした。これでメンバーの皆さまの理解度が統一され、本当の浸透フェーズがスタートします。フェーズ1は「企業理念をみんなで共感し合うプロジェクト」のキックオフからスタートしました。

齋藤さま
キックオフ後はインプットに時間を使いました。揚羽さんから、浸透の考え方や取り組み方、打ち手の分類などを学びました。

山林さま
組織階層ごとに分けて目標を定める方法も教えてもらいましたよね。

齋藤さま
そうですね。レイヤーによって浸透具合が異なるし、求めるものが違うということ。それに対応するため、実際にどう区分して実行していくかという部分を教えてもらいました。具体的に「この層には、この施策が効果的だった」など、これまで浸透活動をご支援されてきた揚羽さんだからこそお持ちのノウハウも共有いただきました。

佐藤
はい、階層の話もさせていただきました。メンバーに浸透させるには、ミドルマネジメント層が腹落ちしてメンバーに伝えられることが大事であるとか、それぞれの階層にあった浸透施策をどう打っていくかをディスカッションしていきました。

齋藤さま
フェーズ1で、実際どのように実践していくのか、社内で行う枠組みと土台をしっかり作っていただきました。

浸透活動のプロセス〈フェーズ2〉

― 浸透プロジェクト1年目、初年度施策の実施のフェーズ2では、どのような取り組みをされたのでしょうか?

山林さま
フェーズ2に入り、メンバーを2チームに分けました。具体的には研修やワークショップなど社員に参加してもらう施策を考えていくチーム、もう一つはツールや動画など制作物を考えていくチームです。e-ラーニングの制作も揚羽さんにお願いしました。

伊藤忠丸紅鉄鋼 揚羽 支援実績 インタビュー

佐藤
後者のチームではお話いただいたように弊社の制作メンバーが関わり、各ツールの制作を支援させていただきました。e-ラーニング用のパワーポイントは理念体系策定の経緯から理念体系の説明までをまとめた資料となり、構成からデザイン制作までを担当しました。

齋藤さま
前者のチームでは、揚羽さんに用意していただいたフレームワークの考え方に沿って、施策を検討・実践していました。タスクフォース定例の始めに、毎回揚羽さんが実施してくださったアイスブレイクも参考にさせていただきました。

佐藤
そうでしたね。アイスブレイクとして、「MISI FRONTIER SPIRITS」の中で毎週テーマを決め、順番に思い当たるエピソードを発表してもらっていました。

山林さま
インプットだけじゃなくて、アウトプットするときに初めて言葉の意味などを考える必要が出てくるから、すごく効果的だよねという話になりましたね。

齋藤さま
その後、このアイスブレイクがすごく良い打ち手だと思い、浸透施策として行うことになりました。部長クラスの社員にテーマに沿って語ってもらい、簡単な動画を作成して社内で共有しました。

浸透活動のプロセス〈フェーズ3〉

― フェーズ3からは、MISIのタスクフォースメンバーのみで施策を実施されているとのことですが、自走1年目はどのような取り組みをされたのですか?

齋藤さま
はい、フェーズ3は、今でも活動を続けています。計画の立て方や振り返りの方法は、1年目に揚羽さんに教えていただいたフレームをベースにアップデートしながら活用しています。

佐藤
それはよかったです。皆さまでアップデートして使用されているというのがとても素晴らしいですよね。

揚羽 理念浸透 プロジェクト

齋藤さま
そして、ここでメンバーの変更がありました。策定から先導してくれたタスクフォースリーダーが交代することになり、前任のリーダーからの強い推薦もあり、言葉を大切にする木村がリーダーとなりました。
実は自走フェーズは止まりかねないと不安に思っていたのですが、木村に引っ張っていただきうまく動き出せました。

― リーダーに抜擢されたときどのように感じていましたか?

木村さま
とにかくブランドスローガンも知らない社員がまだ多くいたので、「触れる」「見る」「聞く」「語る」という機会を増やしたいと考えました。
まず、タスクフォースメンバーの定例会議を、隔週2時間の開催から、毎週1時間に変更し、具体策を検討していきました。そうすると、頻度が上がったためか、どんどん施策が回り出して、毎週いろいろな意見やアイディアがメンバー内から出てくるようになりましたね。
あとは決定した施策について、マイルストーンをしっかり設定し、着実に実行することを重ねていきました。

齋藤さま
社内座談会なども開催しましたね。特にリーチできていなかった若手層に絞り、「MISI FRONTIER SPIRITS」とビジョン・ミッション・バリューについて考える時間を、3時間近くとりました。参加率もよく、フィードバックもとてもよかったですよね。

木村さま
入社2~11年目を集めて5人ほどのチームをつくりましたが、同期で固めたんです。まだコロナ禍で飲み会にも行けない中、久しぶりに顔を合わせて盛り上がっていましたね。宿題や事前の資料の読み込みは一切無くし、この時間内で楽しくやろうというコンセプトにしました。
例えば、『7つあるMISI FRONTIER SPIRITSの8つめをみんなで考える』というワークです。発表方法も「五・七・五の川柳」や、「ラップ調」にするなどしてみました。非常に盛り上がり、短い時間で最大限の効果が発揮できたかなと思います。

伊藤忠丸紅鉄鋼 理念浸透 支援

佐藤
とても素敵な施策ですね。

木村さま
あとは、『ビジョン・ミッション・バリューを使って困難な局面に立ち向かえ!』というテーマでストーリーをつくってもらったりしました。面白いストーリーが出てきましたが、ここで改めてビジョン・ミッション・バリューを読み込んでいただくきっかけがつくれたと思います。

齋藤さま
2022年はこのような大きな新規施策に加え、前年の反省点として、e-ラーニングや動画などを作成するも視聴数が伸びないということがあったので、社内報やメールなどで広報し、もう一度施策にリーチしてもらおうという活動もしました。
そして、2023年には、再びメンバーの入れ替わりがありました。参加初期の私のように、まだ理念を理解していない社員も多かったので、「もう一度認知を高めるべき」など新しい意見も出てきました。

木村さま
認知を目的にオリジナルのノベルティも色々作成しました。
例えば、企業理念をもっと身近な存在にしてもらいたく、「企業理念缶」という缶ケースを作成しました。文房具を入れて机の上に置く社員や、ゴルフのティーを入れている社員もいます(笑)。他にも、金太郎本舗さんとコラボしてMISI飴をつくるなど、さまざまなことに挑戦しました。

佐藤
ノベルティのアイディアがすごいですね。

木村さま
ありがとうございます。これらは新たなメンバーと話し合って出てきたアイディアです。

齋藤さま
木村がアイデアマンなんです(笑)。
ノベルティの中には、社内で毎年実施されるウォーキングイベントに乗ろうということで作成したものもあります。人事部主催のイベントですが、社員にとても人気なので、うまくかけ合わせられないかと考えました。

伊藤忠丸紅鉄鋼 インタビュー ブランディング支援

山林さま
メンバーが定期的に入れ替わるのも、有効な浸透施策だと実感しています。新鮮な意見が聞けるのもそうですが、元タスクフォースメンバーが社員側の盛り上げ役になってくれるというメリットがありますよね。

佐藤
なるほど、アンバサダー的な立ち位置ですね。

木村さま
元タスクフォースメンバーの一人がイギリスのグループ企業に出向していまして、MISIの企業理念を英訳し、出向先の現地スタッフに説明してくれました。そして、そのグループ会社独自のステートメントを考える活動も行ってくれています。

伊藤忠丸紅鉄鋼 理念 浸透活動

齋藤さま
現在は、施策のアップデートに加え、グループ企業や海外拠点にも浸透させていこうとしているところです。
また、ここまでは社内だけで活動してきたので、社外の方にも関わってもらおうと考えています。揚羽さんが入ってくださる時もそうですが、やはり第三者の声というのは効果的ですよね。

― さまざまな工夫を重ね自走されているのはとても素晴らしいですね。

佐藤
浸透プロジェクトの最初に、浸透活動は弊社がずっと支援をさせていただくものではなく、MISIの皆さまがいかに自走して活動を継続できるかが大事だとお伝えしました。
その頃から、一度フレームワークをお伝えするとすぐにたくさんアイデアが出てきていたのが、MISIさまの素敵なところだと思います。タスクフォースのメンバーを入れ替えることも含め、とても理想的な浸透活動をされていると感じました。

木村さま
ありがとうございます。今後も、社内に留まらず揚羽さんなど社外の皆さまのお声もいただきながら、さらなる理念の浸透を目指し、さまざまな取り組みを考えていきたいと思います。

後編として、同社の理念浸透のプロセスをお話いただきました。
弊社はブランド共創パートナーとして、策定から浸透活動まで一気通貫で伴走いたします。ぜひお気軽にご相談ください。