世界中で注目を集めている「SDGs」は、社会の課題や地球環境などへの問題に取り組む方法として、日本国内でも広く認知されています。個人単位はもちろん、企業もSDGsに対する取り組みを強化すべきと考えられるようになっています。その結果、近年は「SDGsブランディング」の重要性が注目され、企業の成長を促す要素として捉えられているのです。

 

本記事ではSDGsブランディングの基本的概要と、具体的な取り組み内容や注意点を解説します。

 

SDGsブランディングとは

まずは以下で、SDGsブランディングの基本的な意味や施策の概要について解説します。

 

SDGsブランディング とは

 

そもそも「SDGs」とは?

SDGsとは、世界で推進されている「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことを指します。2015年9月に開催された国連サミットで加盟国の全会一致で採択され、「2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標」として正式に提示されました。

 

17のゴールと169のターゲットで構成され、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」というテーマのもと、各国で具体的な施策が進められています。日本でもSDGsへの関心は高まり、一般的な知識として浸透しています。「自分はSDGsに対してどんな取り組みができるのか」といったことを会社や学校で話し合う機会も増えているため、今後の展開に期待が集まっています。

 

SDGsブランディングは自社のブランディング活動の一環としてSDGsに取り組むこと

SDGsブランディングは、企業が実施するブランディングの一環として、SDGsへの取り組みを導入することを意味します。利益追求や認知度拡大といった事業目標と同時に、SDGsに関する取り組みを行うのがSDGsブランディングの基本です。

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SDGsブランディングが注目される理由

近年SDGsブランディングが注目されている理由には、以下の背景が関係しています。

 

SDGsの認知率は上昇傾向にある

先にも解説した通り、SDGsは日本国内においても認知率が高くなっています。大手広告代理店の株式会社電通が行った「SDGsに関する生活者調査」によると、SDGsの認知率は54.2%と半数を超えています。

 

特に10代の認知率が高く、男女ともに70%を超えていることから、若者の関心を集めていると判断できるでしょう。そのため積極的なSDGsブランディングは、若年層へのアピールにつながる可能性があります。

 

SDGsへの取り組みが企業の評価を高めることにつながっている

SDGsの認知率が高まっている現在、「どれだけSDGsに取り組んでいるのか」という点が、企業を評価する際の基準になりつつあります。商品やサービスがSDGsとどのように関係しているのか、社会的な課題や環境問題に企業としてどのように取り組む姿勢を示しているのかといった点が、ステークホルダーに注目されるようになっているのです。

 

結果的にSDGsへの取り組みを強化することが、企業の経営に大きなメリットを与える時代になっています。

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SDGsブランディングの実施によって得られるメリット・効果

SDGsブランディングを実施することによって、企業は以下のメリットや効果を得られると考えられます。

 

SDGsブランディングのメリット・効果1.企業イメージが向上する

SDGsブランディングの実施は、企業のイメージ向上につながるメリットがあります。世界的な問題となっているSDGsに積極的に取り組んでいるという事実があれば、「社会に貢献している企業」というイメージを確立できます。

 

それは企業にプラスのイメージを付与し、企業のブランド価値を高めることになり得るでしょう。

 

SDGsブランディングのメリット・効果2.新しいビジネスが生まれる可能性がある

SDGsに含まれる要素(貧困、気候変動、クリーンエネルギー、自然保護)などは、ある意味世界規模でニーズのあるジャンルになっていると言えます。そのためSDGsで取り上げられている課題を解決する技術やサービスを開発できれば、新しいビジネスとして定着する可能性があるのです。

 

また、SDGsに取り組むことで関連するNPOやNGOといった団体と関係を持てる可能性もあるため、これまでなかったつながりからビジネスチャンスを発見することも期待できます。

 

SDGsブランディングのメリット・効果3.ステークホルダーとの良好な関係を築ける

SDGsブランディングの実施は、企業としての信頼度を高めてステークホルダーと良好な関係を築くきっかけにもなります。SDGsへの取り組みを強化している企業は、現代社会の問題に真剣に向き合っていると認識され、高い評価を得られる可能性が高いです。

 

商品・サービスの利用者が、新たに関係性を構築する企業を選ぶ際の判断基準にもなるでしょう。

 

SDGsブランディングのメリット・効果4.ESG投資の対象として認知される

SDGsブランディングの実施は、ESG投資の対象としてみられやすくなるメリットもあります。ESG投資とは、環境・社会・ガバナンスの3点から企業を分析、評価する投資法のことを言います。

 

ESG投資は、日本国内でも浸透し始めています。資金調達時にSDGsブランディングの実績が有効に働く可能性があるため、企業は今後意識してSDGsへの取り組みをアピールすることが重要となるでしょう。

 

SDGsブランディングのメリット・効果5.従業員のモチベーション向上につながる

SDGsブランディングは、従業員のモチベーションを向上させるメリットもあります。広告やプロモーション事業を手がける株式会社JTBコミュニケーションデザインの「SDGsと社員のモチベーションに関する調査」によれば、SDGsおよびサステナビリティへの取り組みは従業員のモチベーションに影響していると判明しています。

 

会社員のSDGs認知度は82.5%と高く、「会社はSDGs達成に取り組むべき」と回答した人が48.3%もいる(部長クラスでは61.6%と役職が高いほど意識も高い)ことも分かっています。4割以上の役職者が「今後は、取引先の会社がどれだけSDGsに取り組んでいるかを、今よりも意識する」と回答していることから、BtoB事業にとってもSDGsブランディングは重要視されるでしょう。

 

SDGsブランディング メリット

 

SDGsブランディングへの取り組み方法

SDGsブランディングは、以下の方法で取り組むことが可能です。

 

SDGsブランディングの取り組み内容を公開する

SDGsブランディングとして取り組んでいる具体的な内容を公開して、社外にアピールすることが一つの方法です。例えば自社の公式HPやSNSなどで近々の活動を報告し、積極的にSDGsに力を入れていることを証明することがポイントです。

 

どれだけSDGsに貢献していても、それを認めてくれる外部の人がいなければ、SDGsブランディングのメリットは引き出せません。

 

従業員のワークライフバランスや福利厚生を充実させる

従業員の生活を充実させることも、SDGsブランディングにおける取り組みに含まれます。リモートワークの導入や産前産後・育児休暇の積極的な利用推奨など、従業員を大切にする姿勢を示すこともSDGsブランディングの一環です。

 

従業員からの評価が高まるだけでなく、「従業員のことをきちんと考えている企業」としてステークホルダーからの評価もアップするメリットがあります。

 

インナーブランディングを実施してSDGsブランディングへの理解を深める

SDGsブランディングを実施する際には、「インナーブランディング」による施策が有効です。インナーブランディングを実施すれば、自社が行うべきSDGsブランディングの内容を従業員に理解させ、認識を統一させることができます。

 

SDGsブランディングを従業員が正しく理解することで、企業が打ち出している取り組み内容と、実際の行動に齟齬が発生しづらくなる点もメリットです。

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SDGsブランディング時に注意すべき「SDGsウォッシュ」とは?

SDGsブランディングを実施する際には、「SDGsウォッシュ」と呼ばれる状態に陥らないように注意が必要です。

 

SDGsウォッシュとは?

SDGsウォッシュとは、SDGsへの取り組みを行っているようにみえて、実際には内容が伴っていない状態を揶揄する言葉です。環境のことを考えているとアピールしておきながら、実際には何の活動もしていない企業を指す「グリーンウォッシュ」からできた造語となっています。

 

SDGsブランディングの実施時には、このSDGsウォッシュに認識されることを避けるように立ち回る必要があります。

 

SDGsウォッシュと認識されるリスク

SDGsウォッシュとしてステークホルダーに認識されると、ブランドの信頼度が低下し、顧客に不信感を与えるきっかけになってしまいます。一度失った信頼を取り戻すのは難しく、せっかく築き上げたブランドの価値が急落するリスクがあるでしょう。

 

企業の価値を向上させるSDGsブランディングが、逆効果となる可能性がある点は事前に把握すべきです。

 

SDGsウォッシュを回避する方法

SDGsウォッシュを回避するには、「根拠がない不明瞭な情報の提示を避ける」「誇張した表現・曖昧な言葉の使用を避ける」「取り組みと関係のない写真やイラストを使って誤解を生まないように注意する」といった方法があります。

 

安易に「SDGsに力を入れている」とアピールするのではなく、まず実績を作ってから情報を発信することで、SDGsウォッシュと認識される可能性を回避できるでしょう。

 

まとめ

SDGsの認知度が高まっている現代において、企業は積極的にSDGsブランディングへの取り組みを実施することが求められています。SDGsブランディングへの正しい取り組みは、企業の新しい価値を創造し、事業におけるさまざまなメリットを生み出すでしょう。

 

SDGsブランディングを実施する際には、ブランディング会社の利用がおすすめです。株式会社 揚羽ではこれまで培ってきたブランディングのノウハウを活用して、SDGsブランディングの支援を実施しています。

 

SDGsブランディングについてお困りのことがあるときには、ぜひ揚羽にご相談ください。

 

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