揚羽は、自社の理念浸透活動をどうやっているのか?


理念や行動指針を持ってらっしゃる会社は多いと思いますが、それが「社員に浸透している」と自信をもって言える会社はあまり多くありません。いや、ほとんどないといってもいいかもしれません。

理念が立派な額に入れられて、会社の中心に(もしくはすみっこに)飾られているが、誰もそのほんとうの意味を理解していなかったり、毎日朝礼で社員が大声で唱和するが、暗記しているだけで、これもまた意味を問われたら、ちゃんと理解していなかったり・・・。

この記事を読んでいただいている皆様の会社はどうでしょうか?

 

株式会社揚羽は創業以来、こういった課題に対して、長らく「インナーブランディング」として様々な解決策を提示し続けて参りました。

そもそも理念の軸になる「言葉」を作ったり、「理念浸透ムービー」を作ったり、「クレドカード」を作ったり、「理念浸透研修」を一緒に設計させていただいたり、「理念を語るイベント」を開催させていただいたり。

多くのお客様から「本当に揚羽さんのおかげで救われた」と言っていただけるほど、感謝のお声もいただくようにもなってきました。

 

しかしそれにつれて、こんなご質問をいただくことも多くなってきました。

 

「ところで、揚羽さんは、自社ではどんな理念浸透の活動をしているんですか?」

 

果たして自社には理念がちゃんと浸透しているのか・・・?

自社が得意とするサービスについて、自社では全然うまくいっていない。そんな会社はゴロゴロあります。「あるある」です。

果たして揚羽はどうなのでしょうか?振り返ってみました。

理念が浸透している2つの理由


結論からいいますと私の所属する株式会社揚羽は、理念がかなり浸透している方の会社です。

以前に書いた記事『インナーブランディングのプロセスと理念の重要性』での「理念浸透度合い」でいえば、ほとんどの社員が日常の中にも行動指針を使って会話するなど、「行動・定着」フェーズにまで進んでいるということができます。

日常会話の中でも、理念・行動指針を使った会話がなされることが度々あります。もちろん完璧ではありませんが。

なぜその状態を持続できているのでしょうか?

ポイントは大きく2つです。

 

①そもそも社員巻き込み型で理念や行動指針を作っている

②社員自身が理念体現エピソードを共有しあう場やツールがある

 

今回は「情報貧者をつくらない」という行動指針を例にして、それをどう作ったのかとどう浸透しているのか。その方法をご紹介します。

※揚羽では、理念・行動指針が約30あり、それを総称して「羅針盤」と呼んでいます。

浸透プロセスを具体的にご紹介


羅針盤を浸透させるために、9つのプロセスがあります。一つひとつご紹介していきます。

 

Process 1
まず、経営者(揚羽では代表取締役の湊剛宏)が、

①テーマ(情報貧者を作らない)
②解説

この2つを書きます。以下の通りです。

大事なのは②解説です。会社全体としてブレさせたくないことは何なのか、譲れないことは何なのか。この羅針盤で伝えたいことはどういうことなのか。

ここが曖昧だと、後のプロセスがすべて効果が薄くなりますので、かなりこだわって書きます。

なお、①テーマについては、最初の段階ではキャッチーにする必要はありません。とにかく②解説が最初は肝要です。

 

Process 2
その羅針盤に対してイマイチな行動の例③と、理想的な行動の例④を空欄の状態で社員に渡し、社員ひとりひとりが考えて記入し、提出してもらいます。

 

Process 3
経営者(と羅針盤作成チーム)はそれを読んで、社員がきちんと理解していた場合は褒め、理解していなかった場合、誤解を解くためにコミュニケーションを取ります。
その中から、よくあるケースをピックアップし、このシートを完成させます。すべて会社が用意するのでなく社員一人ひとりに、羅針盤について自ら考えてもらうことが重要です。

 

Process 4
毎週月曜日の朝会で、名前の50音順で選ばれた社員が4人、このテーマについてのエピソードを話します。

例えば
「私は新人のとき、この羅針盤の意味が分からなくてお客様からの相談を先輩に共有するのをすっかり忘れて、それを知らなかった先輩がデザイナーの○○さんに間違った指示をしてしまい、お客様に提出するデザインを再度○○さんに徹夜で書き直してもらわなくてはならないことがありました。ごめんなさい。○○さん。もうしません。」
など。

良い行動も、悪い行動も、すべてさらけ出して共有してもらうことが重要です。

Process 5
木曜日には人事から
「来週の朝会の羅針盤のテーマは○○です。エピソードの発表者は○○さんと○○さん・・・です」
と全体広報があります。

発表者は50音順で回しています。選ばれた人は月曜日に話す内容をじっくり考えて持ってきます。

 

Process 6
しばらく使ったら、さらに社員に自分ごと化してもらうために、①のキャッチコピーも社員の公募で再作成します。
解説の文章はそのままで、「もっと社員が覚えやすく、親しみを持てるようなコピーを考えてください。」と。
社員一人ひとりに、羅針盤について自ら考えてもらう時間を作るのです。

 

Process 7
羅針盤が30あって、毎週ひとつづつの発表だと、1周するのに半年以上かかって
しまいますので、日々目につくように、「羅針盤日めくりカレンダー」も作り、机上やトイレなどの目につくところに置いています。

デザインも社内のトップデザイナーに依頼し、長年使っても飽きないデザインにしています。

 

Process 8
羅針盤の中から主だったものをチョイスし、プロセス評価の項目にも入れています。
毎回、評価の期間になると、あの羅針盤は体現できているが、この羅針盤の項目について強化しなくてはいけないね、という会話を上司と部下で取り合います。

 

Process 9
新しく入って来る社員には、面接時にこの羅針盤を読んでもらい、価値観のミスマッチを防いでいます。また、入社時にはすべての羅針盤の項目について、③のイマイチな行動と④の理想的な行動を記入してもらい、直属の上司と理解にズレがないかコミュニケーションを取ります。

理念浸透にはユニークさが重要


以上、いかがでしたでしょうか?

 

揚羽も実は今の形になるまで10数年、様々な理念浸透活動を経てようやく定着しました。

うまく行っていないという時期もあったのが事実です。

様々な悪戦苦闘の上に立ってこの形は確立し、組織と社員一人ひとりに定着するに至りました。

 

理想的な理念の浸透方法は各社それぞれ異なります。「このままこの通りにやったらよい」という方法はなかなかありません。

企業には歴史や文化があるためです。歴史と文化を無視して、ただ「面白いからやってみようよ」といって始めた施策はなかなか長続きしないものです。

施策を育てていく上では「ユニークさ」が重要と私は考えています。

 

なお、揚羽では毎週月曜日10時から10時半で「朝会」を行っています。そこで「理念浸透」のための活動を行っています。

もし見学希望の方は、下記アドレスまで人数と参加ご希望日をお知らせください。

 

info@ageha.tv
広報 一瀬(ひとせ)宛

 

また、より具体的なご相談も受け付けていますので、遠慮なくご連絡ください。

インナーブランディングセミナーも随時開催しています。

インナーブランディングセミナーの予約ページ

 

今後とも、株式会社揚羽をよろしくお願いいたします。

WRITER

黒田 天兵

インナーブランディング研究室
室長

黒田 天兵

ブランディングにおけるソリューション実績700社を超える (株)揚羽にて、コーポレートコミュニケーション事業の立ち上げから推進まで行っている責任者。携わったインナーブランディング実績はおよそ200社、財閥系大手企業から近年注目されている急成長ベンチャー企業まで幅広く担当し、理念浸透・意識改革などのプロジェクトに携わる。大学時代は哲学に没頭。ハイデガー、デカルト、カント、ニーチェを研究。

ブランディングにおけるソリューション実績700社を超える (株)揚羽にて、コーポレートコミュニケーション事業の立ち上げから推進まで行っている責任者。携わったインナーブランディング実績はおよそ200社、財閥系大手企業から近年注目されている急成長ベンチャー企業まで幅広く担当し、理念浸透・意識改革などのプロジェクトに携わる。大学時代は哲学に没頭。ハイデガー、デカルト、カント、ニーチェを研究。