はじめに

みなさま、こんにちは。ディレクターの松村です。

 

就職活動のデジタル化はもはや常識となっていますが、その際に学生がとる行動の一つとして興味がある企業を「検索する」というステップは外せません。ナビ媒体などでの情報収集はもちろんですが、企業の新卒採用サイトをいくつも閲覧しているはずです。

 

新卒採用サイトでまず目に飛び込んでくるのが、「採用キャッチコピー」です。企業から学生へのメッセージとして、さまざまな企業が工夫を凝らしています。また、各企業で採用担当をされている方にとっても、選考中の学生とのコミュニケーションにおいて必須となる重要なテーマです。また、採用サイトのコンテンツのテーマとしても機能をします。

 

今回は学生にとっても、採用担当の方にとっても重要な「採用キャッチコピー」について、学生が応募したくなるようなキャッチコピーの作り方と、事例をご紹介します。

採用活動におけるキャッチコピーの役割とは?

広報をせずに採用活動はできません。つまり、採用活動をするということは、学生に興味を持ってもらうために何かしらのメッセージを伝えているはずです。採用キャッチコピーは、メッセージを「その企業らしく」伝える手法の一つです。そして、採用キャッチコピーが狙い通りに機能すると、採用活動における課題の解決につながります。それでは、キャッチコピーは採用活動の中で、どのような役割を果たしているのでしょうか?主に、次の3つが挙げられます。

学生の興味を引き、記憶に残す

そもそもキャッチコピーとは、「人の興味を引きつける」文章や言葉を指します。例えば、新卒採用サイトのトップページに掲載するキャッチコピーは、採用サイトを訪れた人が最初に目にするメッセージです。ここで興味を持ってもらえなければ、採用サイトから離脱してしまいます。逆にここで興味を引きつけることができれば、採用サイトをじっくり読み進めてもらうことができます。また、キャッチコピーが記憶に残ることで、後から読み返してもらえる可能性や、「もっと知りたい」と企業研究を進める次のフェーズへつながる可能性が高まります。

自社ブランディングの一環として、他企業との差別化につながる

採用キャッチコピーは、その企業「らしさ」が言語化されています。また、採用キャッチコピーはパンフレットやナビ媒体に掲載する情報など、採用活動のあらゆる場面で使用されます。企業理念やミッション、ビジョン、バリューなどを感じさせるキャッチコピーにすることで、ブランディングの効果が見込めるのです。企業理念はその企業の特徴そのものでしょう。つまり、他社との違いを理解できる要素として機能させることができます。

ミスマッチの防止につながる

自社ブランディングの一環として企業の価値観や企業風土を盛り込むことになると、学生は企業の考え方に共感できるかできないかの判断をすることができます。実際に入社するとなれば、その考え方のもと仕事をしていくわけです。つまり、採用という入り口できちんと企業の価値観や風土に共感してくれる学生が集まれば、入社後のミスマッチを防ぐことにつながるのです。ミスマッチが減ることで、双方の時間やコストを削減できることになります。

 

このように、採用キャッチコピーが役割を果たしていくと、企業と学生の壁がなくなります。そのため、採用キャッチコピーは採用活動の軸として、多くの企業が工夫を凝らしているのです。

効果的なキャッチコピーをつくる方法

いざキャッチコピーをつくるとなっても何から考えればいいのか分からないという悩みを多く聞きます。キャッチコピーには、たくさんの情報を入れることができません。情報を詰め込みすぎると、何が言いたいキャッチコピーなのかが分からなくなり、目的がぶれてしまいます。そのため、「何を伝えるか」を絞り込む必要があります。この「何を伝えるか」を導き出す考え方をご紹介します。

①自社分析のもと、競合他社との差別化ポイントを見つける

まずは自社の魅力を整理し、他社にはない強みを見つけ出すことから始まります。企業理念や事業内容などさまざまな要素があると思いますが、「業界の魅力」、「個社の魅力」、「仕事の魅力」、「キャリアの魅力」、「人・社風の魅力」に分けると考えやすいです。競合に関しても同じ分類で整理をすることで、違いが明らかになります。

②ターゲットを明確に設定する

次に採用したい学生がどんな人材なのかを明確にします。「自社に必要な人材」「自社らしい人材像」を基準に考えるとよいでしょう。また、キャッチコピーを考える上で重要なのは、採用したい学生が企業に何を求めているかを考えることです。整理した自社の魅力がターゲットの求めていることと一致するか、どういった伝え方をすれば響くかを考えることで伝えたいことが絞られていきます。

③コンセプトを策定する

①と②から、自社の魅力をターゲットに訴求するためのコンセプトを策定します。ここではキャッチコピーになっていなくても問題ありません。「何を伝えるか」が明確にすることが重要です。例えば、「挑戦」をテーマにしても、「新しいものを生み出す挑戦」なのか、「グローバルで戦う挑戦」なのかで伝えたいことは変わります。コンセプトを明確にすることで、より強固なキャッチコピーをつくることができるのです。キャッチコピーの作成はあくまで表現技術であり、コンセプト策定が肝になります。

 

このように順序だてて情報を整理していくことで、キャッチコピー考えるもとを定義づけていくことができます。

コンセプトが分かりやすい採用キャッチコピーの事例紹介

ここからは、一般に公開されている事例の中から、コンセプトが明確になっている採用キャッチコピーの事例をご紹介します。

事業内容を訴求した事例

採用キャッチコピー「知のめぐりをよくする。」

 

株式会社サーキュレーション様(採用サイト

 

プロの経験・知見を複数の企業でシェアするプロシェアリングサービスを運営する株式会社サーキュレーション様の事例です。同社のコーポレートキャッチコピーとしても使われている「知のめぐりをよくする。」は、社名からは一見想像しにくい事業内容を一般的に想像しやすい「血のめぐり」から分かりやすく表現されています。

 

採用キャッチコピー「挑戦の先には、いつも最高の乾杯がある。」

 

アサヒビール株式会社(採用サイト

 

同社は人気商品「アサヒスーパードライ」のもと、圧倒的ブランド力を持っています。消費者向けのプロモーションでは、ビールの瞬間的な「うまさ」を押し出した広告が特徴的です。採用キャッチコピーでは、ビールが持つ魅力である「最高の乾杯」を生み出す側として、事業内容をワクワク感のあるものへと表現しています。

事業価値を訴求した事例

採用キャッチコピー「救いたいのは、生命だけではない。」

 

 

中外製薬株式会社様(採用サイト

 

同社に対するイメージは、CMなどからバイオテクノロジー・開発力の高さなどが挙げられるかと思います。市場では各メーカーが新薬の開発にしのぎを削る様子が見受けられますが、採用キャッチコピーでは改めて製薬メーカーが持つ使命を訴えている点が印象的です。また、「生命だけではない。」と否定の表現を使うことで、「では、何があるのか?」と伝えたいメッセージのフックとして機能しています。

 

採用キャッチコピー「この瞬間を、未来に刻む。」

 

読売新聞社様(採用サイト

 

言わずと知れた読売新聞社様の事例です。紙媒体の衰退が加速する中、「今を伝える新聞」から「未来に刻む新聞」というメッセージに転換することで新しい価値を伝えています。

企業の価値観を訴求した事例

採用キャッチコピー「偏愛上等。」

 

株式会社WOWOW様(採用サイト

 

株式会社WOWOW様の事例です。地上波放送とは違い、よりオリジナルのコンテンツが求められる同社だからこそ、社員の「偏愛」を大切にしていることを伝えています。

 

採用キャッチコピー「どうなるかじゃない、どうするかだ。」

 

本田技研工業株式会社様(採用サイト

 

日本の産業を支える自動車業界の一旦を担う本田技研工業の事例です。自動車メーカーの中でものづくりへのこだわりが強いと言われる同社ですが、創業者・本田宗一郎氏の「世のため人のため、自分たちができることはないか」という志が現在にも引き継がれ、自ら考え続けるという企業の価値観を伝えています。

 

採用キャッチコピー「自分をシン化せよ。」

 

野村アセットマネジメント様(採用サイト

 

弊社がお手伝いさせていただいた野村アセットマネジメント様の事例です。進化や芯化など「シン化」をテーマに、さまざまな視点で同社の事業に対する価値観を伝えています。

職種採用を明確にした事例

採用キャッチコピー「半端なものはつくらない 半端な気持ちで守らない」

 

大成有楽不動産株式会社様(採用サイト

 

弊社がお手伝いさせていただいた大成有楽不動産様の事例です。同社の仕事に対する価値観を伝えるとともに、不動産事業と施設管理業のそれぞれの視点でキャッチコピーにすることで、職種ごとの違いを分かりやすく伝えています。

採用キャッチコピー作成のご相談はお任せください!

採用キャッチコピーの作り方と事例をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?採用キャッチコピーは、採用活動の指針です。学生に響くキャッチコピーを考えるきっかけとなると幸いです。事例の中には弊社がお手伝いをした企業様も取り上げましたが、弊社では魅力の整理からターゲットで設定までお手伝いさせていただいております。採用キャッチコピーにお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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