理念や、行動指針を作られている会社は多いと思いますが、それが「社員に浸透している。」と自信をもって言える会社はもしかしたら多くはないかもしれません。
理念が立派な額に入れられて、会社の中心に(もしくはすみっこに)飾られているが誰もそのほんとうの意味を理解していなかったり、毎日朝礼で社員が大声で唱和するが、暗記しているだけで、これもまた意味を問われたら、ちゃんと理解していなかったり・・・。
弊社では、理念や行動指針を作るときから社員を巻き込み、自分ごととして捉えてもらい、浸透も、社員自身が自分のエピソードを話すことで、自分ごととして捉えてもらっています。

そのせいか、日常会話の中にも行動指針を使った会話がなされ、結構良い感じで浸透しているのではないかと感じています。もちろん、完璧ではありませんが。
理念や行動指針の作成、特に浸透に悩まれている会社さんは多いので、比較的うまく行っている弊社のやり方を知っていただき、少しでも参考にしていただければ幸いに存じます。
弊社では、理念・行動指針が約30あり、不定期で見直しをしています。
今回は「情報貧者をつくらない」という行動指針を例にしてその作り方を説明します。


理念・行動指針のうまい作り方と浸透のさせ方
1.まず、①テーマ(情報貧者を作らない)と、②解説を経営者(もしくは行動指針作成チーム)が書きます。テーマはそんなにキャッチーなものでなくても構いません。

あとで社員の手を借りて変えることもできます。大事なのは解説です。この行動指針で伝えたいことはどういうことなのか。こだわって書いてください。

2.その行動指針に対してイマイチな行動の例③と、理想的な行動の例④を空欄の状態で社員に渡し、社員ひとりひとりが考えて記入し、提出してもらいます。

3.経営者(もしくは行動指針作成チーム)はそれを読んで、社員がきちんと理解していた場合は褒め、理解していなかった場合、指導します。その中から、よくあるケースをピックアップし、このシートを完成させます。すべて会社が用意するのでなく社員一人ひとりが行動指針について自ら考えることが重要です。

4.毎週月曜日の朝会で、名前の50音順で選ばれた社員が4人、このテーマについてのエピソードを話します。例えば「私は新人のとき、この羅針盤の意味が分からなくてお客様からの相談を先輩に共有するのをすっかり忘れて、それを知らなかった先輩がデザイナーの○○さんに間違った指示をしてしまい、お客様に提出するデザインを再度○○さんに徹夜で書き直してもらわなくてはならないことがありました。ごめんなさい。○○さん。もうしません。」など。

5.木曜日には人事から「来週の朝会の羅針盤のテーマは○○です。エピソードの発表者は○○さんと○○さん・・・です」と全体広報があります。発表者は50音順で回しています。選ばれた人は月曜日に話す内容をじっくり考えて持ってきます。
という進め方です。

6.しばらく使ったら、さらに社員に自分ごと化してもらうために、①のキャッチコピーも社員の公募で再作成しました。解説の文章はそのままで、「もっと社員が覚えやすく、親しみを持てるようなコピーを考えてください。」と。

7. 行動指針が30あって、毎週ひとつづつの発表だと、1周するのに半年以上かかってしまいますので、日々目につくように、「羅針盤日めくりカレンダー」を作り、机上やトイレなどの目につくところに置いています。デザインも社内のトップデザイナーに依頼し、長年使っても飽きないデザインにしています。
理念・行動指針のうまい作り方と浸透のさせ方

8. 行動指針の中から主だったものをチョイスし、評価項目に入れています。

9.面接時に、この羅針盤を読んでもらい、価値観のミスマッチを防いでいます。
また、入社時にはすべての行動指針の項目について、③のイマイチな行動と④の理想的な行動を記入してもらい、直属の上司から指導を受けます。

以上のやり方で、理念・行動指針を作成、浸透させています。
ご興味のある方は、毎週月曜日10時から10時半まで朝会を行っていますので、
見学希望の方は、下記アドレスまで人数と参加ご希望日をお知らせください。
また、より具体的な相談も受け付けていますので、遠慮なくご連絡ください。

pr@ageha.tv
広報 祝(いわい)宛