企業不祥事の共通点


近年稀にみる多さである。

大手自動車メーカーによる有価証券報告書の虚偽記載、排ガス・燃費の測定データ不正、総合油圧機器メーカーによる免震・制振装置の検査データ改ざん、地方銀行の不適切融資。
「表に出ていることは、ごく一部なのではないか?」と思うほど、連日テレビや新聞で企業の不祥事が取り上げられています。

多くの企業不祥事に共通する点は何か。

メーカーに多いのは、『法令遵守意識の欠如』『ガバナンスの欠如』
現場の慢性的な人手不足の中、納期は絶対に厳守するという意識や利益偏重主義などが、安全性を軽視するような不祥事につながっているようにも思える。

また、これまで不祥事が起きた際、経営トップが会見上で述べた言葉を並べてみると、ここにも「共通点」が。

それは「企業風土」という言葉

最近不祥事を起こした企業の会見だけをみても
「企業風土の問題なのか、従業員の意識の問題なのか」
「昔からの企業風土に流されてしまった」
「風土・体質が引き起こした」という言葉が多く聞かれます。

冒頭で取り上げたような企業は「特殊な会社の、特殊な業務を行っている人たち」なのでしょうか。
否、決して特殊な会社ではありません。

不祥事を起こさないためには「どんな企業にも起こりうるもの」と捉え、日頃から不祥事防止のための仕組み作りや教育を通して自浄能力を高めておく必要があります。

近年行ってきたコンプライアンス意識の醸成というと現場社員に対して行われることが大半でしたが、最近では現場社員だけでは全くもって足りず、内部監査を行う社員や不祥事の芽となる報告を受ける役職員に至るまで高いコンプライアンス意識と倫理観が求められます。

施策のポイントは「共感」


では、「企業風土が重要である」ことや「全役職員が社会常識や高い倫理観をもって行動する」ことが大事だと分かったとして、どのようにして企業を正常化させていくべきなのでしょうか。

弊社でも、数多くの企業から相談を受けてきました。
そこで、まず最初に着手すべきは現状把握です
その次に全役職員が同じ方向を向くための言葉づくりを行い、浸透施策を講じて浸透具合に応じてPDCAを回すというものです。
流れは至ってシンプルですが、大事なポイントは全役職員の共感と自分事化

共感を得るためには「ルールを守りましょう」というストレートな法令順守意識を伝えるだけでなく、各企業が大切にする「企業理念」や、創業者や諸先輩方が困難をどう乗り越えて今につながっているのかという「過去のエピソード」なども交えて伝えることです。

まずは現状把握から。
自社の状態をイメージしながら以下の図をご覧ください。

いかがでしょうか。

そもそも「定義が出来てない」のか、「認知・理解・共感されていない」のか、「行動・定着できていない」のかだけでも振り返ってみると良いと思います。

ファンクショナルとエモーショナルな施策で良い企業風土を醸成


ファンクショナルな施策というのは、教育研修や人事評価制度など。
エモーショナルな施策は、理念を伝えるエピソードブックや心に訴えかけるような映像を指します。
施策を行う上で大事なことはどちらか一方の施策を行うのでなく、必ず両輪で回すということです。

詳細については、以下の図をご覧ください。

ここからは、実際にどのようにして理念を浸透させ行動変容させていくのかについて一例を記載していきます。

「企業理念」の張り出しや「ルールを守りましょう」「検査員のダブルチェックを徹底しましょう」というポスターを貼ることで日々の注意喚起を行っている会社があるとします。(大半の会社はこのような感じだと思います)

ある会社では、毎朝の朝礼で「企業理念」と「規則遵守事項」の唱和を行っているため全社員が「企業理念」や「規則遵守事項」の存在自体は知っているものの「全役職員に至るまで共感出来ているか?」という点についてはまだ足りないと感じていました。

このクライアントが自動車メーカーだとして、私なりに共感や自分事化できるよう社員の心に語りかけるような言葉を用いてインナーブランディングに活用してみるとこんな感じになります。

いかがでしょうか。

「ルールを守りましょう」という言葉だけではなかなか伝わらない、自分たちの仕事の意義や想いが加わったと思います。

企業によってトーンは異なると思いますが、このような言葉を用いた映像や理念ブックを作って社員の共感を深めることができます。

エモーショナルな施策として「私たちの仕事は世の中に感動を与える仕事なのだ」というメッセージを伝えつつ、ファンクショナルな人事制度の見直しや教育研修を継続的に行うことで社員の意識を変え、行動を変え、企業風土を変えることにもつながります。

揚羽では約750社を超えるクライアントの現状把握・課題の抽出・施策立案・施策実行までをワンストップで提供していますので『皆様が思い描く未来』を私たち揚羽に是非お聞かせください。

WRITER

松田 雄一朗

シニアマネージャー
シニアプロデューサー

松田 雄一朗

大手金融会社にて約8年間、採用・労務管理・教育などの人事業務に従事。揚羽では金融業界(銀行・生損保・証券)・商社・士業を中心に幅広い担当するだけでなく、営業マネージャーとして各プロデューサーの育成につとめる。幅広い業界での経験をもとに、現在は企業のインナーブランディングも手掛けている。

大手金融会社にて約8年間、採用・労務管理・教育などの人事業務に従事。揚羽では金融業界(銀行・生損保・証券)・商社・士業を中心に幅広い担当するだけでなく、営業マネージャーとして各プロデューサーの育成につとめる。幅広い業界での経験をもとに、現在は企業のインナーブランディングも手掛けている。