プロスポーツクラブをビジネス視点で捉える「チーム価値」


コーポレートブランディングの世界ではもう当たり前ともいえる「ブランド価値」の数値化と算出、その評価。サッカー(フットボール)や野球(ベースボール)、バスケットボール、モータースポーツ…。プロスポーツの世界でもこの考え方を取り入れ、それぞれのクラブ(チームの運営組織)の持つブランド力を内包した「チーム価値=企業価値」を算出し、ビジネス視点で評価することがなされつつあります。それにはいろいろな理由があると思いますが、メディアの発達などによってスポーツのコンテンツとしての訴求可能範囲が国や地域を超えてボーダレスになり、マーケットが広がることで投資の対象としての存在感が大きく増したこと。それにより運営団体の経営もよりシビアに見ていかねばならなくなった流れによることが大きいのではないでしょうか。

世界のサッカー「チーム価値」ランキング2017


中でも、世界中のあらゆる国や地域でプレーされ、視聴されているサッカー。特に「ビッグクラブ」と呼ばれるサッカーチームの運営は一大ビジネスと言えます。「ブランド」としてのチームと、スポーツとしてのサッカーは、全世界的な人気を博していると言っていいでしょう。雑誌『Forbes(フォーブス)』は、毎年「世界で最も高価値のサッカーチーム」ランキングの上位20チームを発表しています。ここでの「チーム価値」とはそれぞれのチームを運営するクラブの「企業価値(資産と負債の合計)」を指しています。

【Forbes】サッカーチーム価値ランキング2017

世界で最もチーム価値をもっているサッカークラブはやはり…?


このランキングをご存知ない方でも、1位~3位までのクラブの名前は予想どおりといったところでしょうか?

特筆すべきは、上位10クラブのうち6クラブがイングランド『プレミアリーグ』に所属するクラブだということですね。イングランドといえば、サッカー(フットボール)の発祥の母国として名高いですが、実は『マンチェスター・ユナイテッド』はニューヨーク証券取引所に上場しており、大株主のマルコム・グレーザー氏とそのファミリーはアメリカの大富豪です。そのライバル『マンチェスター・シティ』の親会社はUAEの投資会社アブダビ・ユナイテッド・グループでしたり、『アーセナル』のオーナーのアリシェル・ウスマノフ氏はロシア人であったりと、今や多くのクラブで英国外の富豪や投資会社がオーナーとなっています。

世界的視点で価値を高めるビッグクラブ。伍してゆく日本のクラブの価値向上策は?


世界中で約10億人以上に視聴され、全世界で最も人気が高いリーグとされるのが、前記の『プレミアリーグ』。当然テレビ放映権料も巨額で、2016年から2019年の3年間で95億ユーロ(約1.3兆円)の契約を結んでいると言われています。当然そこからクラブに分配される金額も(上位であればあるほど)巨額です。それに続くドイツやスペイン、イタリアのリーグも同様に世界的視点でマーケットを捉え、経営されていると言えます。スポーツが本来持つ「感動や興奮」といった無形の魅力に加え、事業の投資対象としてやオーナーシップの観点でも魅力的で、それがチーム価値にも表れていると言えるのではないでしょうか。では、同じ「サッカー」という世界共通のフォーマットのマーケットで伍してゆく日本のJリーグは、どのような戦略や方針で価値向上を目指そうとしているのでしょうか?活路はあるのでしょうか?

これについては別記事『グローバル』と『ローカル』。Jリーグのブランド価値向上戦略に寄せておりますのでご興味ございましたら是非ご一読ください。

WRITER

佐藤 孝良

シニアプロデューサー

佐藤 孝良

秋田県生まれ。日本大学芸術学部卒。
演劇活動の挫折を経て、リクルート社入社。企業の人材採用広報・教育研修・組織活性支援に従事。
その後2005年に揚羽に入社。以来10年以上にわたりのべ100社以上の企業の人材採用プロモーション、企業広報ほか各種コミュニケーション施策の支援に関わらせていただいています。
週末はだいたいサッカースタジアムにいるか、旅か、映画鑑賞のルーティン。

秋田県生まれ。日本大学芸術学部卒。
演劇活動の挫折を経て、リクルート社入社。企業の人材採用広報・教育研修・組織活性支援に従事。
その後2005年に揚羽に入社。以来10年以上にわたりのべ100社以上の企業の人材採用プロモーション、企業広報ほか各種コミュニケーション施策の支援に関わらせていただいています。
週末はだいたいサッカースタジアムにいるか、旅か、映画鑑賞のルーティン。